Research Abstract |
本研究では,ネットワーク上に分散した情報源を統合活用し,有効な知識を発見・獲得するための基盤となる技術開発を行う.前年度からの繰り越しとして,「P2P環境におけるトレーサブルな情報交換に関する研究」について,トレーサビリティに関する基本技術の開発を継続して行った. 本研究課題では,各コンピュータ(ピア)がサーバにもクライアントにもなりうるP2P(peer-to-peer)ネットワーク上で,情報を柔軟に交換し,知識の蓄積・活用を図るためのフレームワークを開発している.特に,情報の信頼性を重視し,手元にある情報が元々はどこのピアから提供され,どのように流通したかを知ることが可能となる,トレーサビリティ機能の実現を目指した.トレーサビリティ機能により,交換された情報が信頼に足るということがわかり,得られた知識を有効に活用することが可能となる. 本研究では,昨年度の繰り越しとして,特に,トレーサビリティ機能の中心となる問合せ処理技術に焦点を当てて研究を進めた.問合せ処理のアルゴリズムを精緻化し,具体的なアルゴリズムの導出を行い,また,一般化により応用対象を広めることに成功した. また,従来の考えていたのは,問合せが発行されてから実行が開始されるアドホックな問合せであったが,今回,問合せ自体を登録しておき,状況の変化に応じて継続的にモニタリング処理を行う,連続的処理,すなわちイベント駆動型問合せについても,体系化を行い,問合せ処理方式の開発を進めた.
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