2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角 康之 Kyoto University, 情報学研究科, 准教授 (30362578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 豊明 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70135531)
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Keywords | 体験メディア / コミュニケーション支援 / ミーティングキャプチャ / PhotoChat / 本棚周辺会話流通 |
Research Abstract |
本研究は、オフィス、研究所、大学、博物館といった知識の創造・流通の場における、協調体験を介した知識の言語化と整理を支援するシステムの開発を目的とする。そこで、我々自身の研究室内での教員と学生、または学生同士の日常的な会話シーンをとらえ、本人もしくは興味を共有する他の研究室メンバーがそのシーンを振り返り、知識の言語化と整理を行えるシステムの研究開発を行っている。 (1)本棚周辺の会話流通を促すシステムの開発:研究室内の知識指向の会話を効率的にとらえ、また、再利用する場として、研究室内の共用本棚に着目した。本棚に複数のカメラとマイクを設置し、簡易な画像パターン識別を行うことで、本棚前の人の有無や棚の手の出入りなどを検出し、その周辺で起きている音声を自動的に切り出すことをした。また、切り出された音声は棚から出入りした本に仮想的に貼り付け、次のメンバーがその本を選ぶと、棚の横にあるキオスク端末上に過去の会話シーンを再生することとした。試作システムを日常的に運用し、本棚前の本の探索行為や、他のメンバーとの立ち話を通して、研究室内での共通した研究の話題や本に関係する暗黙的な知識(複数の本の間の関係性、研究室に依存した本に関する評価など)の流通が促されることが確認された。 (2)PhotoChatの機能強化:カメラを付けた携帯型のパソコンを利用し、撮影した写真やその上への書き込みを実時間で他のユーザと共有できるPhotoChatと呼ばれるシステムを開発してきた。今年度は、写真撮影や書き込みの周辺で起きている会話や周辺の状況を記録するために、音声の記録と自動切り出しをする機能を強化した。そうすることで、従来のPhotoChatでは取得しづらかったユーザ同士の実会話を補完的に記録し、さらに、音声を写真に貼り付けるという多様な体験の記録と再生の手法を提供することが可能になった。
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