2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300036
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
吉野 孝 Wakayama University, システム工学部, 准教授 (90274860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 亨 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20252489)
北村 泰彦 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00204917)
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Keywords | 多言語コミュニケーション / 異文化コラボレーション / 翻訳リペア / 機械翻訳 |
Research Abstract |
本研究の目的は,多言語コラボレーション環境において,異なる言語を利用するユーザ間の知識を抽出するための,多言語ユーザ参加型の知識創成の方法論を研究する.本年度は,下記の2点に取り組んだ. (1)多言語コミュニケーション支援の基礎研究 (2)知識抽出を促進するコミュニケーション環境の研究 多言語コミュニケーション支援の基礎研究として,翻訳リペア支援技術の確立のための基礎研究を行った.この研究成果は,知識抽出を促進するコミュニケーション支援に直接つながる. 機械翻訳を用いたコミュニケーションにおいて重要な役割と果たすと考えられる翻訳リペアは,不適切な翻訳箇所の少ない文章を作成する方法として重要な意味をもつ.しかし,適切に翻訳されていない文章を見てユーザが原文の書き換えを行った場合,その翻訳リペアの結果がどの程度の精度を持つかについての評価は行われていない.そこで,折り返し翻訳を用いた,日本語の入力による英語・中国語・韓国語間の翻訳リペアの実験を行った.その翻訳リペア結果の精度評価および作業のコストについての評価および考察を行い以下の知見を得た. (1)実験で用いた65%の文の3言語の平均翻訳精度を正しく意味伝達が可能なレベルまで改善できた. (2)正しく意味伝達が可能な文へ修正するための修正コストは,修正困難な語句・表現の存在や,修正前の折り返し翻訳精度に依存する.翻訳精度が低い場合,ユーザによる修正箇所の特定や修正方法の発見は容易ではなく,翻訳精度に応じたコストを要する.
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