Research Abstract |
本研究では,学習データからプログラムを自動生成することができる次世代の進化計算法(進化的プログラム自動生成法)を開発し,それらを自律移動ロボットの行動決定(経路決定・アクションの自動選択など)並びに自律移動ロボットを用いたセキュリティシステムの無人化・自動化に応用することを目的として研究を遂行している.本年度は,主として実験環境の整備と進化的プログラム自動生成法の計算機シミュレーションを用いた有効性の検証を行なった.実験環境として,当初は自律移動ロボット本体の購入を予定していたが,製造元の開発が遅れたため本体は現有のものを用いることとし,それに取り付けるロボットマニピュレータ,赤外線距離測定カメラ,制御用コンピュータなどを購入して実験環境を整備した.また,進化的プログラム自動生成法GRAPE及び,FF-GIN,RFCN,予測強化学習などの方式を開発して計算機実験を行なった.特にGRAPEは任意の制御プログラムを自動生成することができる汎用性の高い進化計算法である.その結果,GRAPE,FF-GIN,RFCN,予測強化学習を用いることで,ロボットの自律移動制御,行動選択プログラムの自動生成を良好に行なうことができることを確認し,国際会議を含む何件かの学会でその成果を発表した.本研究は順調に進行中であり,最終年度である平成20年度はこれらの手法を実機のロボット制御に適用して有効性を検証する予定である.具体的には,障害物回避,カメラによるアクティブセンシング,通常とは異なる状態であるノベルティの自動検出など,セキュリティ分野で必要となる問題を扱う.
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