Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香田 徹 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (20038102)
高橋 規一 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (60284551)
實松 豊 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (60336063)
川端 勉 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50152997)
川喜田 雅則 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (90435496)
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Research Abstract |
今年度の主な成果は以下の通りである. 1. 定常Markovモデルの情報幾何学 前年度までに,定常Markovモデルの確率的コンプレキシティ(SC)の定数項評価を目的に,期待値パラメータのFisher情報行列の行列式(体積要素の二乗)を求めた.そのために導入した,期待値パラメータのdenormalizationによる拡大モデルではFisher計量が退化することに着目し,その幾何学的構造を調べた.無記憶情報源の場合はこの現象は起こらず,非常に素直な構造をもつ.今年度,Markovモデルと無記憶モデルとの違いは本質的であり,素直な一般化のためには,新たな視点が必要であることが分かった.また,無記憶の場合には拡大モデルと元のモデルでは体積要素の見かけが同じであるが,その幾何学的解釈を与えた. 3. Bayes混合を用いない予測改善法 前年度までに,曲指数型分布族の最尤推定値から全指数型分布族における最尤推定値へのシフトの期待値は,Bayes予測へのシフトと正反対となることを見出していた.後者は漸近的に最良のシフトであることを利用し,前者のシフトを逆向きにすることで理想的シフトの近似とする手法を提案し,最尤推定値を改善できる場合があることを実験的に示した. 4. 半教師付き回帰における推定法の提案 半教師付き回帰問題において,密度比推定を用いた新たな推定法を提案し,実験的に性能を評価した.さらに,本手法とインホータンスサンプリングにおけるパラドックス効果との関連を指摘した. 5. ユニバーサル符号の解析 特異事前分布を用いたユニバーサル符号の符号長を解析し,従来得られていた符号長の上界を改善する事前分布を提案し理論的な保証を与えた. 6. 学習応用 一般物体認識,ネットワークセキュリティ,超解像などの課題に取り組んだ.一般物体認識では,線形カーネルを用いたSVMを探用し,多種の特徴ベクトルを単純に結合するという手法で,71.5%という比較的高い認識率を得た(CALTECH101).ネットワークセキュリティでは,glasso,ICA,NMFなどを用いた異常検知により,Botnetの存在を検知できる可能性を示した.
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