2008 Fiscal Year Annual Research Report
インターカラービジョンシステムと知能的ユニバーサルデザイン支援に関する研究
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19300059
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
岡嶋 克典 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究科(研究院), 准教授 (60377108)
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Keywords | 視覚特性 / 画像処理 / ユニバーサルデザイン / 色覚異常 / 加齢変化 / 空間周波数特性 / 質感 / 光沢感 |
Research Abstract |
前年度に開発した実験システムを用いて、若年被験者で検討した実験条件を基に、高齢者も被験者に加えて実験を行い、測定データを収集した。それらの結果を用いて、世代内の分析を行うとともに、世代間の比較分析を行い、分析結果を基に年齢効果のモデル化・定式化ならびに年齢効果の生理的メカニズムの考察を行なった。その結果、高齢者の色の見えは色相・彩度において系統的な加齢変化が存在することを明らかにするとともに、その色変換を定式化し、高齢者と若年者で同じ色の見えを生じさせる色刺激を予測する技術を確立した。次に、前年度に試作を開始した画像処理システム「インターカラービジョン」の実用化に向けて、本格的な開発に着手した。具体的には、小型カメラとHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を用いて、リアルタイムに実在の視環境の高齢者ならびに色覚異常者の見えを評価可能なシステムを開発した。そのシステムに、これまでの当研究において得られた年代間色接続変換式ならびに色覚異常者の色変換式をソフトウェアで組み込むことで、高齢者ならびに色覚異常者の色の見えを精度よくシミュレーション可能なシステムを開発した。また、空間特性の加齢変化についてもシミュレータに組み込み、高齢者の視覚特性を忠実なシミュレーションを実現した。並行して、色順応特性の加齢変化を実験室ならびに実空間の両方で実験を行うとともに、高次視覚特性(光沢や鮮度判定等)のシミュレーションを実現するための質感知覚特性に関する実験も開始した。さらに、画像認識技術を用いた知能的ユニバーサルデザイン支援システムの実現を目指し、その理論的な検討を行なった。
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