2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの作業計測と機械による機能実現を通じての手の巧みさのメタ理解
Project/Area Number |
19300068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横小路 泰義 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (30202394)
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Keywords | ロボットハンド / マニピュレーション / スキル / 柔軟物操作 / 折り紙 |
Research Abstract |
本研究の目的は,「巧みさ」が必要とされる作業として「折り紙」を具体的に取り上げ,ヒトの手による作業を仔細に観察し,その作業の本質的機能を抽出した結果を基に同じ機能を実現できる機械を工学的に創生することで,「手の巧みさ」の本質的理解を目指すことである.本年の研究実績の概要は以下の通りである. (1)加工点に基づく折り紙作業解析 先行研究で取り上げた「おたまじゃくし」の人間による折り紙作業解析をさらに詳細に行った.加工点である折り紙の指先との接触点の動きに着目して,先行研究では作業失敗の原因となっていた袋折り作業における指の運びを改善し,作業成功率を向上させることができた.また,紙の反力を計測できる微小力センサを開発し,ヒトが折り紙を折る際の紙の挙動を接触点でのローカルな情報として計測できるようにした. (2)折り紙作品の難易度に基づくロードマップの作成 個々の折り紙作品の難易度を定量的に評価し,実現すべき折り紙作品のロードマップを作成した.そして今年度に対象としている折り紙作品である「おたまじゃくし」の次の目標とすべき折り紙作品を明らかにした. (3)折り紙ロボットシステムの設計 (1)で行った解析結果を基に,先行研究で開発した折り紙ロボットシステムの改良設計した.特にヒトが現状では垂直方向の駆動にボールネジを用いているために逆動可能でないロボットの指先を持って直接教示方式を行うために, (1)で開発した微小力センサとは別に新たに1軸力センサを付加し,センサ入力に応じて能動的に垂直方向の軸を駆動できるようにした. またこれに関連して,本来次年度の計画となっていた紙の挙動の不確かさへの対処法の検討も先行的に行い,ヒトの直接教示データから紙の挙動の不確かさへの対処法を自動的にモデル化する手法に関して興味ある結果を得た.この成果は次年度に引継いでさらに検討する予定である.
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[Presentation] Origami Folding by a Robotic Hand2007
Author(s)
Kenta Tanaka, Yusuke Kamotani, and Yasuyoshi Yokokohji
Organizer
International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2007)
Place of Presentation
Sheraton Hotel San Diego & Marina, San Diego, CA, USA
Year and Date
20071029-1102
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