2007 Fiscal Year Annual Research Report
Triple Helixモデルの拡張による我が国の産官学連携の特性の実証的分析
Project/Area Number |
19300083
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
孫 媛 National Institute of Informatics, 情報社会相関研究系, 准教授 (00249939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 正光 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (90114602)
宮澤 彰 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (80099928)
大山 敬三 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (90177022)
西澤 正己 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00281585)
柿沼 澄男 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (80290881)
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Keywords | 産官学連携 / 計量書誌学 / Triple Helixモデル / データベース / 共著分析 |
Research Abstract |
わが国では,1990年代半ば頃より,産学連携を促進するための制度・環境面の整備が進められている。産業界から産学連携に対する要求が語られ,大学側でも学内に産学連携推進組織を立ち上げるなどの対応が図られているが,われわれが行ったビブリオメトリックス分析では,1995年前後を境として,大学が企業との共同研究からむしろ離れていく様相が明らかになっている。このような日本における産官学連携の実態は,海外研究者により従来から主張されてきたTriple Helixモデルではうまく説明できない。本研究は,日本におけるknowledge-based innovation systemの浸透や日本独自の文化的要因などについて考察しつつ,日本の産学連携の実態を説明することのできる新しい拡張Triple Helixモデルを構築することを目的とする。 研究初年度にあたる本年度は,以下を中心に作業と検討を進めた。 1.分析用の基礎データの整備と分析 国立情報学研究所作成の日本学会誌を対象とした「引用文献索引データベース」(CJP)に対して名寄せ作業,所属機関の同定等を行った。とくにモデルの拡張を検討する上で重要と考えられる外国人著者に関して重点的に作業を進めた。また,名寄せしたデータを用い,日本の学術雑誌における海外からの投稿パタンの分析,共著者の組織間の繋がりを分野や年度,地域性の角度から可視化するソフトウェアの開発も行った。 2.情報理論の概念と指標を書誌データの分析に適用するための手法の検討 論文の共著情報に基づく分析は,ビブリオメトリックス分野における主要な手法であるが,拡張Triple Helixモデルの研究において必要となる3元以上の書誌データについては,適用法が確立されていない。われわれは,産官学,国際的論文共著関係に対して,連関係数や対数線形モデルなどの統計手法を用いた分析を行いながら,エントロピーや多次元相互情報量など情報理論の指標の適用可能性についても検討を進めている。
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Research Products
(8 results)