2009 Fiscal Year Annual Research Report
前方後円墳のシステム型理解にもとづく古墳時代の情報学的復元
Project/Area Number |
19300086
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
小沢 一雅 Osaka Electro-Communication University, 情報通信工学部, 教授 (40076823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪原 正守 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (40184791)
加藤 常員 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (50202015)
福永 伸哉 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50189958)
北條 芳隆 東海大学, 文学部, 教授 (10243693)
岸本 直文 大阪市立大学, 文学研究科, 准教授 (80234219)
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Keywords | 考古学 / 日本史 / 情報システム / モデル化 / 情報工学 |
Research Abstract |
古墳時代の情報学的復元をめざして、前方後円墳の「個」の関係と集団の関係、および各種文献情報の関連づけを主軸にして、前年度同様に、データ収集を実施した。この作業は、本研究の最終目的である日本古代の情報学的復元を達成するための基盤をなすものであって、弥生時代終末期~古墳時代終末期にいたる「国家」形成過程における諸様相を時間的な推移とともに復元するための基礎資料系を構築する作業である。当年度中までに、目標のおよそ90%程度のデータ収集ができた。 本研究の成果として期待される主要な1点は、邪馬台国問題の情報学的な解明にあるが、当年度中に、邪馬台国に関して骨子としてかなり具体的な素描を行うことができた。もちろん、詳細な部分で未完なところを残してはいるが、3世紀中頃~4世紀中頃と推測される邪馬台国から大和朝廷への接続プロセスの輪郭を明瞭に描き出すことができた。これには、本研究で確立した古代天皇の崩年モデルによって日本書紀と古事記の年代軸を再構成できたこと、および前方後円墳についての詳細なデータ分析(形態・地理・数理的分析)を行ってきたことが決定的な役割をはたしている。こうした成果として得られた知見群を整理し、中間報告書としての意味のみならず、一般社会へのフィードバックを意識して啓蒙図書の体裁を整えて当年度後半(10月末)に考古学系出版社から刊行した。
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