2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300087
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
相田 満 National Institute of Japanese Literature, アーカイブズ研究系, 助教 (00249921)
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Keywords | オントロジ / 暦日 / GIS / 日本文化 / 古典学 / データベース / 歴史地名 / 大日本地名辞書 |
Research Abstract |
本研究は、前近代日本の知識基盤を分析するために構築を進めている和漢オントロジを、より高次かつ具体的・汎用的に利用せしめるために、研究モデルの提示と、データ提供、ツールの開発に取り組むものである。具体的には、日本の旧暦使用時代を扱う時間(間本旧暦オントロジ)・空間(間本歴史地名オントロジ)・概念オントロジの構築と提供を進めるとともに、資源運用をサポートするツールの開発を行い、以下の主題に基づく応用研究に取り組んだ。 (1)前近代文献の構造化支援、暦象情報付加ツールの開発 『古事類苑』記載記事を試料として、旧暦の時間情報が埋め込まれた文章から時間情報を抽出し、ユリウス通日・太陽暦を埋め込むツールの改良を行った。改良点は、暦日テーブル中に、改元にともなって、実際には存在しない暦日に対しても対応できるよう、テーブルを追加したものである。その結果、変換ヒット率を95%以上に向上した。また、同じツールを利用して、緯度経度情報の自動付加実験を行地なお、暦日テーブルを人間文化研究機構と東京大学史料編纂所における利用のためにテータを提供した。 (2)大日本地名辞書におけるGIS情報の整備とGIS情報を利用した知識発見 吉田東伍『大日本地名辞書』中の地名を地名形態素に分別する作業を完了し、その成果を利用して様々な知識発見モデルの事例発表を行った。また、千島・樺太・台湾についてもGIS情報だけでなく、新たな地名やローマ字読み(訓令・ヘボン式の6通りの読み)を付加することにより、今後さらに高次の応用研究を可能とする準備を整えた。 (3)和漢古典概念データベースの公開 平成21年度に人間文化研究機構資源共有集中システム(NIHU One)から公開された、オントロジを集積する和漢古典概念語データベース約29,000件のデータの見直しと、新たに1万件のデータを累加した。さらに、各典拠に時間情報を付加した。
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Research Products
(11 results)