2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの音検知に対する注意の効果の脳波、脳磁界、fMRIによる情報科学的研究
Project/Area Number |
19300090
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
堀川 順生 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授 (50114781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 益朗 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (60171071)
杉本 俊二 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (50422811)
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Keywords | 聴覚空間的注意 / EEG / MEG / 事象関連電位 / オドボール課題 / ヒト / fMRI |
Research Abstract |
ある特定の方向の音に選択的に注意を向けることを聴覚空間選択的注意とよぶ。この機構について、ヒトの脳波(EEG、32チャンネル)、脳磁界(MEG、306チャンネル)およびfMRIによる計測を行い、解析した。被験者は男子大学生で、EEG:9名(21.7±1.0歳)、MEG:9名(21.9±1.0歳)、fMRI:1名(21歳)である。被験者は、下記の注意条件下で、両耳にランダムに与えられる短音(逸脱刺激:50ms、1kHz、提示確率20%)と長音(基本刺激:100ms、1kHz、提示確率80%)の音列の中から、注意耳に与えられる短音の回数を数える課題(聴覚オドボール課題)を行った。注意条件は、左耳に注意、右耳に注意、両耳に注意、暗算の4条件である。暗算条件では短音の回数は数えない。基本刺激(数えない刺激)に対する事象関連電位の刺激後200msの陽性成分(P200およびそれに対応するMEG成分P200m)は、刺激が来ない注意耳の対側(刺激が来る非注意耳の同側)の前頭部を中心に陽性にシフトした。この反応は両耳注意条件においても現われ、注意耳の反対側の耳に刺激が入ることで、注意耳を処理する半球の活動を抑制する機能をもつのではないかと推量される。反応が現われた場所は、fMRIの結果によると前島皮質に対応していた。前島皮質は選択的注意に重要な役割を果たすことが他の研究で示唆されており、今回の結果は、前島皮質が刺激のない注意耳への注意の配分を調整する処理に関わることを示唆する。刺激後600ms付近の陽性成分(P600)は、刺激耳の対側の側頭前頭部で、同側の対応部位の反応よりも有意に増大した。この陽性成分は暗算時には現われず、空間選択的注意時に特異的に現われると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 音声に対する事象関連電位のモデル化2009
Author(s)
Sugimoto, S., Horikawa, J.
Organizer
The 2^<nd> Symposium on Frontiers of Intelligent Sensing (Global COE Symposium)
Place of Presentation
Toyohashi, Japan
Year and Date
2009-03-04
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