2007 Fiscal Year Annual Research Report
表象形成の多様性、多重性、多層性-比較認知発達科学からのアプローチ-
Project/Area Number |
19300091
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
友永 雅己 Kyoto University, 霊長類研究所, 准教授 (70237139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正之 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (80280775)
林 美里 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (50444493)
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Keywords | 表象形成 / 比較認知科学 / 比較発達 / 霊長類 / 鯨類 / 視覚認知 / 社会的認知 |
Research Abstract |
われわれはこの世界をどのように認識しているのか。この問いに答えるために表象形成の多様性、多重性、多層性という観点から、大型類人猿を中心としたヒト以外の霊長類や鯨類を対象に比較認知発達科学というアプローチで研究を進めてきた。今年度は各研究場面でのこれまでの成果を基盤とした新たな研究の展開と、新たな研究場面の立ち上げを行った。 チンパンジーを中心とした研究では、顔認識、視線認識、奥行き知覚、情動認知、注意の問題などについて見本あわせ課題や視覚探索仮題を用いて検討を行った。その結果、チンパンジーでは顔を他物体からきわめて効率よく検出できること、情動的な場面の記憶が他の中立的な場面の記憶よりも優れていること、などが明らかとなった。また、絵画的奥行き知覚の種間比較や写真、絵などを用いたカテゴリ形成についても研究を進めている。さらに、新たな研究の展開を探るために、新しい反応入力装置としてトラックボールを、また、新しい行動指標として視線を検出するアイトラッカー装置への馴致なども進めている。 これと並行して、鯨類での行動・認知研究を名古屋港水族館との共同研究としてスタートさせた。本年度は、バンドウイルカの視覚認知、ヒト訓練者のサインの理解、シャチにおける数の理解などの実験、各種鯨類の気質に関する特性論的評価やベルーガ乳幼児の行動発達の縦断的観察を名古屋港水族館の斉藤豊、上野友香、神田幸司、阿久根雄一郎、日登弘、内田至各氏らの協力のもと遂行した。
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Research Products
(4 results)