2008 Fiscal Year Annual Research Report
疾患関連遺伝子発見のための症例対照研究における統計学的問題とその解決策の検討
Project/Area Number |
19300095
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤澤 宏平 Niigata University, 医歯学総合病院, 教授 (10175771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥谷部 真一 新潟大学, 危機管理室, 教授 (20227648)
桑野 良三 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20111734)
宮下 哲典 新潟大学, 脳研究所, 助教 (60323995)
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Keywords | 医薬生物統計 / 疾患感受性遺伝子 |
Research Abstract |
症例-対照相関解析は、患者群と健常群のSNPsデータを用いて疾患関連遺伝子を同定する方法である。この相関解析は、患者群、健常者群を層別した多段階デザインにより行なわれる。代表的な方法として、Joint Analysis(JA)とReplication-Based Analysis(RBA)の2つがある。本研究では、多段階デザインにおける解析方法の統計学的性質を調べるためのプログラムを開発し、その性質を詳細に検討した。 研究成果として以下が挙げられる。 1. R言語を使い、JAとRBAにおける統計学的性質を調べるためのプログラムを開発した。具体的には、症例数、候補アリル数、実験全体の有意水準、各k段階(kは1以上の整数)への症例数の配分割合(πs,k)、各k段階での候補アリルの選択割合(πm,k)、を指定して統計学的検出力を計算できる。これらは国際学術誌Bioinformaticsに掲載された。 2. 3段階法において、各ステージの症例割合を種々変化させたときの検出力とタイピング数を調べた.その結果、いずれの場合においてもJAがRBAよりも高い検出力を示した.その時のタイピング数は1段階法が10億回であるのに対して、3段階法では4億3千万回であり、約60%の削減が可能であった. 3. 最終ステージに残るアリルの個数が等しくなるように2段階法では、πm,1=0.0001、3段階法では、πm,1=0.01、πm,2=0.01(πm,1×πm,2=0.0001)と設定して2段階法と3段階法とを比較した.その結果、例えばπs,1=0.2、πs,2=πs,3=0.4のとき、2段階法のRBAとJAの検出力はそれぞれ0.148、0.149、3段階法のRBAとJAの検出力はそれぞれ0.466、0.548となった. これらの結果は、国際学術誌Journal of Human Geneticsに掲載された。
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Research Products
(4 results)