2009 Fiscal Year Annual Research Report
候補サイトの空間分布に注目した信頼度の高いタンパク質ドッキング判定手法の開発
Project/Area Number |
19300102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 泰 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (30243091)
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Keywords | 蛋白質 / ドッキング / 高性能計算 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
・独自ドッキングソフトウェアの改良 昨年度までにrPSC法の着想などにより独自ソフトウェア(MEGADOCK)の原型が完成し、既存のZDOCK3.0と匹敵する精度を約4倍高速に得られた。本年度は予測精度の更なる改善を目的として、下記の4点の研究を進めた。第一に、エネルギーに基づくリランキング処理を導入し、予測精度が大きく向上した。第二に、回転角度毎に候補解を複数出力する機能を追加し、精度向上と処理速度のトレードオフから最適な出力数を決めた。この拡張は特にリランキングとの組み合わせにおいて重要であった。第三に、rPSC法における幾何学的な形状相補性の寄与と物理化学的な静電相互作用の寄与のバランスを対象タンパク質の性質に応じて動的に調整する手法を考案した。第四に、やはりタンパク質の表面積等に応じて評価スコアの正規化を行う手法を複数検討した。これらの成果は全て、H21年度内に学会発表した。 ・システム生物学への大規模応用 剛体近似によるドッキング計算は、精度の面で十分ではなく、新規のタンパク質間相互作用を発見するためのツールとしての実用性は乏しいのではないかと従来は広く考えられてきた。独自ドッキングソフトウェアの性能が、システム生物学などの研究にも有益であることを示すため、細菌走化性や、EGFRシグナル伝達系に関して大規模な応用研究を実施した。細菌走化性については、約100×100の網羅的計算を行い、結果はJBCB誌に発表した。EGFR系については発表準備段階であるが、約500×500の網羅的計算を実施済である。ドッキング計算に基づく相互作用予測では、世界最大級の規模を実現したと考えられる。
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Research Products
(17 results)