2010 Fiscal Year Annual Research Report
候補サイトの空間分布に注目した信頼度の高いタンパク質ドッキング判定手法の開発
Project/Area Number |
19300102
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 泰 東京工業大学, 情報理工学研究科, 教授 (30243091)
|
Keywords | 蛋白質 / ドッキング / 高性能計算 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
・独自ドッキングソフトウェアの改良 今年度は以下の成果を得た。a)昨年度に開発したZRANKの疑似エネルギー値を利用するリランキング処理をドッキングソフトウェアに組み込み、従来より高精度な解を得られることを示した。b)立体構造相補性と共に用いる静電相互作用の評価をCHARMM25に基づく手法に変更し、タンパク質問のみならず核酸や核酸との複合体も扱えるよう拡張した。c)マルチコアCPUで高速に動作するようスレッド並列化を行い、各CPUコアが異なる回転角度を担当することにより8倍程度の高速化を達成した。MPI並列化と組み合わせれば、マルチコアの超並列計算機で効率的動作が可能となる。a)とb)は論文誌に採択された。研究期間を通じて、rPSC法の考案や実装上の工夫により、ZDOCKと同等の精度を持ち、数倍から数十倍高速なFFTベースのドッキングソフトウェアの基礎方式が開発できた。 ・候補サイトの空間分布に注目したドッキング判定信頼度の向上 多数の(典型的には10800個程度の)候補解デコイから、単純に疑似エネルギー評価値が最良の解を選ぶのではなく、空間分布に注目する手法を複数考案した。本年度は候補解分布の可視化法として、ベクトルプロット法とコンタクトマップ法を開発した。これらの手法により多数の予測結果の真陽性と偽陽性のデータを図示したところ、空間分布の特徴から真偽の分離に寄与できる事を発見した。さらに、相互作用に利用される残基の集合やその頻度を表すフィンガープリントによる候補解のクラスタリング法も開発した。これはタンパクとリガンドで開発されていた手法を、タンパク質問相互作用予測に転用したものである。 ・システム生物学への大規模応用 EGFR系については約1500×1500程度の最終的な網羅的計算の準備と実施を進めた。タンパク質とRNAの網羅的計算についても実施した。
|
Research Products
(26 results)