2007 Fiscal Year Annual Research Report
線条体ニューロン・グリアネットワークにおける自発活動の計測・解析とそのモデル化
Project/Area Number |
19300105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小山内 実 Osaka University, 大学院・工学研究科, 講師 (90286419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 伸二 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50217600)
八木 哲也 大阪大学, 工学研究科, 教授 (50183976)
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Keywords | 生体情報 / 神経ネットワーク / 自発活動 / 大脳基底核 / 線条体 / カルシウムイメージング / ニューロン / グリア |
Research Abstract |
本研究では、大脳基底核線条体における情報処理機構の解明を目指して、自発Ca^<2+>振動の発生機序及び済報処理への関与を明らかにすることを目的としている。 今年度は、従来から行ってきたラット線条体細胞での自発Ca^<2+>振動を解析すると共に、グリア細胞にのみGreen Fluorescent Protein(GFP)を発現している遺伝子組換えマウス(GFAP/GFPマウス)を用いた研究を行った。加えて、Ca^<2+>自発振動のシミュレーション解析の前段階として、モデル細胞を構築し、シミュレーション解析を行った。また、Ca^<2+>イメージング法の更なる改良及び他の部位でのCa^<2+>変動との比較のため、Ca^<2+>イメージング法を用いて、視覚野スライスにおける信号伝播に関する研究を行った。 1)ラット線条体細胞における自発Ca^<2+>振動の時系列解析活動電位の阻害により、自発Ca^<2+>振動の周期性が増すことが明らかとなった。また、本研究で対象としている時間スケールの長い自発Ca^<2+>変動に対して、細胞間相互作用の検討を行ったところ、多数の細胞間で相互作用が確認され、これらは活動電位の阻害により減少する傾向にあった。 2)GFAP/GFPマウスを用いた自発Ca^<2+>振動の計測 GFAP/GFPマウスの系統を維持管理し、このマウスを用いて自発Ca^<2+>振動の計測を行った。その結果、ニューロン、グリア双方で自発Ca^<2+>振動が観測された。現在その特徴について解析を進めている。 3)Ca^<2+>変動のシミュレーション解析線条体自発Ca^<2+>振動のシミュレーション解析の前段階として、イオンチャネル及びCa^<2+>排出機構などの生物物理学的モデルを組み込んだモデル細胞を構築し、その妥当性を検証した。このモデル細胞の検証のため、視覚野神経回路モデルに構築したモデル細胞を適用し、解析を行ったところ、実験結果をよく再現することができた。
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