2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳情報処理機構の頑強性を形成する神経回路メカニズムとその異常
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19300112
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
井本 敬二 National Institute for Physiological Sciences, 生体情報研究系, 教授 (00176512)
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Keywords | 神経回路 / 視床 / 大脳基底核 / てんかん / 皮質拡延性抑制 / 脳スライス / ユニット記録 / 情報伝達 |
Research Abstract |
脳における情報処理の特徴の一つである頑強性(robustness)の基盤には、情報伝達が単純な神経細胞のつながりではなく、興奮性および抑制性神経細胞を含む神経細胞集団により行われ、その過程で情報の選択・増強・消去などが積極的になされているためと考えられる。このことを明らかにしていくために、in vitro(脳スライス)とin vivoの実験の融合を目指した。 in vivo実験に関しては、実験系の整備を行い、視床、大脳皮質とともに脳の情報の流れの制御で大きな役割を果たす大脳基底核からのin vivo記録を行った。てんかんモデルマウスであるtotteringマウスで、大脳基底核への薬剤注入によりてんかんの発生頻度を減少させることが出来ることを見いだした。 視床から大脳皮質への情報伝達において、大脳皮質第4層の抑制性介在神経細胞であるFS細胞が情報の流れのコントロールに極めて重要であることが明らかになってきた。次のステップとして、このFS細胞がどのように制御されているかが問題となるため、現在検討中である。 スライス実験で、古くからin vivo実験で知られているCortical spreading depression(CSD)に類似する現象を比較的確実に再現出来ることを見いだした。この現象は幼弱なマウス脳や200ミクロン程度の薄いスライスでは見られていない。何がCSDのトリガーとなっているかを検索中である。 計算論的なアプローチとしは、従来Runge-Kutta法を用いてきたが、Stiffな微分方程式の場合に安定性を保とうとすると計算時間の面で不利であった。この点を回避するためにCVODE法の導入を図り、これまで作成してきたクラスライブラリに組み入れた。両者の性能の比較検討を心筋細胞活動電位モデルで行った結果、ほぼ期待された性能を得ることが出来た。
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[Journal Article] A paradoxical effect of lidocaine for the N406S mutation of SCN5A associated with Brugada syndrome2007
Author(s)
Itoh H, et.al., Tsuji K, Sakaguchi T, Nagaoka I, Oka Y, Nakazawa Y, Yao T, Jo H, Ashihara T, Ito M, Horie M, Imoto K
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Journal Title
Int J Cardiol 121
Pages: 239-248
Peer Reviewed
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