2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300116
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
細谷 俊彦 The Institute of Physical and Chemical Research, 細谷研究ユニット, ユニットリーダー (70272466)
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Keywords | 網膜 / バースト / 神経節細胞 / 相関 / 情報伝達 |
Research Abstract |
自然な画像入力は網膜神経節細胞のバースト発火を引き起こす。これまでにバースト内の神経発火の間隔が入力に応じて変化し、入力の情報を符号化していることを見いだした。この正確な発火パターンが、外側膝状体の正確な発火パターンを引き起こし、脳につたえられることを示した。バースト発火の情報が脳に伝えられることを示す結果である。 自然な画像は複雑な統計的な特徴を持つため、自然画像に対する網膜応答の解析は一般に難しい。そこで自然画像に対する網膜神経節細胞の応答からその受容野を効率よく推定する方法を開発した。自然画像によって生じるバースト発火の解析に貢献すると期待される。 バースト発火は単一細胞の出力の時間方向での相関だが、神経発火は異なる網膜神経節細胞間でも同期などの相関を持つことがしられている。このような空間方向での相関の重要性を調べるために、脳が空間方向での相関の情報を用いて複号する場合と、相関の情報を無視して複号する場合での情報伝達効率の差の解析に参加した(共同研究)。 網膜にはATP受容体が存在し、ATPがなんらかの生理機能を担っているのではないかと推定されてきていたが、実体は不明であった。ATPが網膜神経節細胞の光応答を修飾することを示し、さらにこの修飾がON経路とOFF経路で異なっていること見いだした(共同研究)。
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Research Products
(5 results)