2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ脊髄運動系神経回路の形成機構および回路機能の解析
Project/Area Number |
19300118
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
東島 眞一 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (80270479)
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Keywords | 神経分化 / 神経回路 / トランスジェニック |
Research Abstract |
異なった転写因子の発現の組み合わせにより、形態学的に異なったタイプの介在神経細胞が分化してくることが示唆されている。しかし、これらの介在神経細胞が、最終的に神経回路網の中で機能的にどのようなタイプの神経細胞へ分化していくかは、まだよく分かっていない。本研究では、特定の転写因子の発現する神経細胞の、発生分化および、回路中での機能の解析を、ゼブラフィッシュを用いて進めていく。本年度で特に、ゼブラフィッシュのV0,V3ニューロン発生過程を解析し、回路の中でどのような役割を果たす神経細胞に分化していくかを検討した。V0ニューロン:V0ニューロンはすべて交差性の介在ニューロンであり、グルタミン酸作動性のものとグリシン作動性性のものとが存在することが明らかとなった。また、グルタミン酸作動性のニューロンにはいくつかのサブタイプが存在し、そのうちのMCoDと呼ばれる神経細胞は、幼魚の遅い遊泳行動に関与している、という結果を得た。V3ニューロン:V3ニューロンは、脊髄のもっとも腹側に位置するニューロンで、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロンからなることが分かった。このうち、グルタミン酸作動性ニューロンは、運動中において、脊髄全般の興奮性を高めてそれを維持することに関与していることを示唆する結果を得た。
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