2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300121
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
野口 光一 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (10212127)
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Keywords | 後根神経節 / MAPキナーゼ / ATP受容体 / 疼痛行動 / 背髄後角 |
Research Abstract |
1…リン酸化MAP kinaseの脊髄後角やDRGニューロンにおける局在 2…MAP kinase活性化阻害剤の疼痛関連動作(神経因性疼痛)に及ぼす影響 代表的な神経因性疼痛モデルの脊髄後角やDRGにおいて、どのようなニューロンあるいはグリアでMAP kinaseの一つであるERK5の活性化が生じるのかを詳細に検討し、ERK5のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてknock downラットでの疼痛関連動作(hyperalgesia、allodynia)とMAP kinase活性化との関連を調べた。その結果は、疼痛刺激後のERK5のDRGでの発現と疼痛との関連は、J.Pharmacol.Exp.Ther.に発表した。末梢組織の炎症時におけるERK5の動態・関与に関してはJ.Neurochemに発表した。さらに末梢神経障害後のニューロパチックペインモデルにおける動態は、同じくJ.Neurochemに発表することが出来た。 3…MAP kinase経路における上流、下流分子の決定、特にATP受容体に注目して MAP kinaseの活性化がどのような神経活性物質の発現を調節しているのか、すなわちMAP kinaseの下流に存在する分子について、特に代謝型ATP受容体が末梢神経障害後に増加することを我々は発見しており、極めて有望なMAPKの上流因子と予想される。研究の結果、P2Yl2受容体がマイクログリアで増加し、この受容体のシグナルが下流のMAP kinase経路(p38)の調節に関与していること、さらにこのP2Y12及びp38の連関が、ニューロパチックペインモデルにおけるマイクログリアの活性化、疼痛メカニズムにおいて重要な役割を持っていることを解明した。これらの結果は、Journal of Neuroscienceに発表した。
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