2007 Fiscal Year Annual Research Report
MSMマウス・JF1マウス由来ES細胞を用いた遺伝子改変マウス作出と解析
Project/Area Number |
19300149
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 喜美 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 准教授 (90211705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 正健 熊本大学, 生命資源研究支援センター, 准教授 (80271609)
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Keywords | ES細胞 / 野生マウス系統 / 生殖系列キメラ / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
MSM/Ms及びJF1/Ms系統は、我が国固有のモロシヌス亜種から樹立された系統で、西ヨーロッパ産のドメスティカス亜種から派生した標準的近交系統との間で顕著な遺伝子多型を示し、その表現型も、代謝、行動、薬剤感受性・嗜好性などの点で非常に異なる。そこで、これらの系統を用いてノックアウトマウス作製・遺伝子機能解析を行うことで、従来の標準的近交系統だけからでは得られない、新たなゲノム機能の発見が期待される。我々は、Knockout Serum Replacement(KSR)を用いた培地でMSM/MsやJF1/Msの胚盤胞を培養することで、MSM/Msからは3系統(Mol/MSM-1、2、3)、JF1/Msから7系統(Mol/JF-1〜7)のES細胞株を樹立した。これらのキメラ作製能を検証するため、ICR桑実胚とのアグリゲーションを行なった。Mol/MSM ES細胞では、すべての株からGermlineキメラが得られたが、Mol/JF ES細胞では、2系統からGermlineキメラが得られた。遺伝子操作後のキメラ形成能を検討するため、最も成績の良かったMol/MSM-lを用いて、遺伝子トラップベクターをエレクトロポレーション法により導入、得られたサブクローンを用いて桑実胚とのアグリゲーション法または胚盤法への注入法でキメラを作製した。レシピエント胚についても、ICR胚とC57BL/6XBDF1胚で成績を比較した。その結果、C57BL/6XBDF1胚を用いた胚盤法への注入法によるキメラ作製が最も効率良くキメラを得ることが出来た。これらのES細胞株は、ゲノムの多様性が表現型に与える影響の研究や新たなモデルマウス作製の有用なツールになると期待される。
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Research Products
(11 results)