2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300151
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小倉 淳郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 遺伝工学基盤技術室, 室長 (20194524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山海 直 独立行政法人医薬基盤研究所, 霊長類医科学研究センター, 主任研究官 (80300937)
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Keywords | 核移植 / ドナー細胞 / 実験動物 / サル / ウサギ / ブタ / ES細胞 / 多分化能 |
Research Abstract |
ヒト核移植由来ES細胞のモデル作出の目的で、サルおよびウサギの核移植、およびサル体細胞とウサギ卵子を用いた異種間核移植の実験を行い、一方で、まだ安定した受精卵由来ES細胞のないウサギES細胞の樹立も目指した。ウサギES細胞は、ムチン層が定着していない初期の胚を体外培養して胚盤胞を作出し、内部細胞塊にダメージを与えずに作出することに成功した。樹立および継代には、フィーダー細胞濃度の調整が極めて重要であることを明らかにした。約50回の継代後もテロメラーゼ活性が高いことを証明し、ほぼ無限に近く増殖できることが期待された。サルおよびウサギの核移植実験は、卵丘細胞、線維芽細胞、白血球をドナー細胞として実施した。サルについては、実験群間の卵子の質のぶれが大きく、条件設定が極めて困難であったが、いずれのドナー細胞でも細胞質内注入法でクローン胚を再構築可能で、8あるいは16細胞期まで発生することを確認した。サルの卵子は、活性化処理により変形を生じることが多いので、この活性化方法の改善が必須である。ウサギもいずれのドナー細胞でも良好に発生し、1度の実験でほぼ確実に胚盤胞を作出できた。異種間クローンは、サルの細胞をブタの卵子へ注入した。この実験群も胚盤胞の作出に成功した。今後はそれぞれの胚盤胞の質を高めることにより、ヒトに類似した核移植ES細胞細胞を樹立したい。特に、ウサギについては、受精卵から効率的にES細胞を樹立する系が確立できたので、大いに期待できる。
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Research Products
(7 results)