2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300151
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小倉 淳郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 遺伝工学基盤技術室, 室長 (20194524)
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Keywords | 核移植 / ドナー細胞 / 実験動物 / サル / ウサギ / ブタ / ES細胞 / 多分化能 |
Research Abstract |
ヒト核移植由来ES細胞のモデル作出の目的で、サルおよびウサギの核移植、およびサル体細胞とブタ卵子を用いた異種間核移植の実験を行い、一方で、昨年度樹立した受精卵由来ウサギES細胞の特性解析も行った。サルおよびウサギの核移植では、マウスクローンで効果が認められているTrichostain Aあるいはscriptaidの再構築胚への処理を行った。いずれも統計的に有意差のある効果は現れなかった。すなわち、サルは8-16細胞期まで発生し、ウサギは胚盤胞まで発生したがその率は改善しなかった。また、最近ヒト核移植由来ES細胞の作出に際して、卵子を用いる倫理的な問題回避のために3前核胚を用いた核移植が提唱され、マウスで成功している。そこでサルでICSI胚を作出し、その第一体細胞分裂M期の胚をレシピエントに用いた核移植クローンを実施した。Nocodazole処理をすることにより、2個の桑実期胚まで得ることができたが、胚盤胞は得られなかった。また、昨年度に引き続き、ブタ卵子をレシピエントに用いたサルクローンを実施した。成体雄の線維芽細胞を用いて1個の胚盤胞を得たが、ES細胞の樹立には至らなかった。昨年度、樹立に成功したウサギES細胞の特性解析も行った。未分化性維持にはbFGFやActivinが重要な役割を担っている一方で、LIFは未分化性維持に関与していないことが明らかになった。実際に、LIF非存在下で長期間培養したウサギES細胞の未分化性は失われなかった。さらにY27632の添加により、効率よく増殖させることができることも判明した。これらの結果は、ウサギES細胞がその形態だけでなく未分化性維持機構までもヒトES細胞に類似していることを示している。
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Research Products
(5 results)