2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300152
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗城 眞也 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (30002108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横澤 宏一 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20416978)
竹内 文也 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (30281835)
|
Keywords | 脳情報 / 脳磁界 / 認知機能 / 情報処理 |
Research Abstract |
本研究では、認知的脳情報を無侵襲的に取得し、工学的応用性の高い定量的信号として抽出することを目的とし、MEG(脳磁界)計測を中心として注意や期待, 好悪(奇異感覚)などに関する脳情報の検出と読み出しに関する検討を行った。 能動的注意や期待による脳活動の変調を調べるため音楽的に進行する和音を聴覚刺激として用いた. 完全終止型, 半終止型, 偽終止型の進行和音の効果を調べた結果, 半終止と偽終止の場合には和音終了後の音刺激の無い期間において脳神経活動が聴覚野に生じることを見出した. このことから注意や期待などの内因性の脳情報がMEG信号として検出できることが示された. さらに視覚野の活動を変調させる画像として, 輝度やコントラストを一定として色調のみを反転させた食品画像を作成し, 正常な色相の画像との比較を行った. 色相反転画像は好ましくない, ないし奇異な感情を誘起する. その結果, アルファ波帯の自発性MEG成分において位相コヒーレンスに正常画像との差異が生じることが分かった. この位相差の定量的読み出し技術としては, FFT解析したアルファ波ピーク信号について2つのセンサ間の位相コヒーレンスを求め, それらが異なる色相の画像間で大きな差異をもつセンサセット(約20個のペア)を探索する方法を開発した. さらに, 聴覚的注意に関する脳情報の検出を目指し, 予備実験としてタウリズムの存在する10Hz帯の自発性MEG信号について調べた. その結果, 両眼の開閉のみならず聴覚入力によっても振幅変調される成分を認めた. これを受けてつぎに, 一定の時間差をもって音階的に上下に変化する音刺激を左右の耳に与えていずれかの音に注意させた場合の10Hzリズムの振幅変調について検討し, 右側頭部前方の計測チャンネルにおいて右耳注意と左耳注意時でFFT振幅に差異が観察されることが分かった。
|
Research Products
(13 results)