2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300152
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
栗城 眞也 Tokyo Denki University, 先端工学研究所, 教授 (30002108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横澤 宏一 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20416978)
竹内 文也 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (30281835)
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Keywords | 脳情報 / 脳磁界 / 認知機能 / 情報処理 |
Research Abstract |
本研究では,MEG(脳磁界)を中心として認知的脳活動を無侵襲的に計測し,定量的な脳情報信号として抽出することを目的とし,脳情報の検出と読み出しに関する検討を行った. 内因性の脳活動として「運動記憶の呼出し」「負の予測」に着目した.「運動記憶の呼出し」では,方向を記憶する際,手を動かしながら記憶すると,想起時にα帯域の脳磁波の振幅がより大きく減少する傾向が見られ,運動野起源のμ波の抑制が示唆された.また,衝突を模倣した視覚刺激を予測可能な条件で提示した結果,α帯域の脳磁波の振幅が衝突刺激の提示前に有意に減少した.これより,危険に関わるような事象の予測によりリズム的活動が変調することが確認された.さらに脳磁波の振幅から衝突刺激の提示予測を判別したところ,最大79%の確率で判別できた. 聴覚情報処理は,左右の耳からの音が交差・非交差の経路で左右脳の聴覚野に入力し,さらに注意などの内因性の活動によりそれらが互いに相互作用するため複雑である.これまで,競合する左右の音情報が聴覚野で処理される様式を明らかにした例はない.ここでは,音高の異なる左右音を40±3Hzの近接する周波数で振幅変調し,変調周波数成分である聴覚定常応答ASSRをMEG計測することで聴覚野の活動を弁別することを試みた.短時間(750ms)で音高が変化する音階刺激を与え,計測されたASSRをwavelet変換して2つの周波数成分に分離した.その結果,750ms内でも聴覚野の活動はダイナミックに変化していることがわかった.それらを時間平均して音高(音階の周波数)に対する依存性を検討した結果,これまでに報告されている非競合状態あるいは片耳入力によるASSR振幅の周波数依存性により左右聴覚野の活動の強度が弁別できることが分かった.以上の結果より,聴覚野で競合する音情報の処理様式を分離して読み出す手法を確立することができた.
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Research Products
(21 results)