2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 希美子 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 講師 (00323618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 譲二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20159528)
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Keywords | 細胞・組織 / 生理学 / バイオメカニクス / 機械刺激 / ナノイメージング |
Research Abstract |
血管系は組織に酸素や栄養素を供給する他,生体にとって多くの重要な働きを担い,ホルモン,サイトカイン,神経問伝達物質などの"化学的刺激"だけでなく,血流や血圧に基づいて発生する流れ剪断応力や伸展張力といった"物理的刺激"によっても制御を受けることが明らかになってきた。本研究では内皮細胞の血流センシングの分子機構の解明を目指す事を目的として,申請者らが血流センサー分子としての機能を同定したATP作動性カチオンチャネルP2X4受容体に焦点を当て,以下の分子レベルのリアルタイムイメージングを行なった。 I.血流センサー分子としてのイオンチャネルP2X4の構造機能解析とATP放出のイメージング (1)P2X4を介した剪断応力のカルシウム,シグナリングに関する実験:P2X4の剪断応力センサー分子としての機能について,内皮細胞に剪断応力を作用させたときの細胞内カルシウム反応を解析した。siRNA法でP2X4の発現を阻害すると,剪断応力依存的なカルシウム反応が消失した。 (2)剪断応力によるATP放出の分子機構に関する実験:内皮細胞に剪断応力を作用させたときのATP放出部位を解析するため遺伝子工学的に作製したストレプトアビジン,ルシフェラーゼ融合蛋白質を用いた新しいイメージング法を開発した。剪断応力依存的に放出される内因性ATPを捉えることに成功した。 (3)P2X4の遺伝子欠損マウスに関する実験:血管内皮細胞に発現するP2X4を特異的にノックアウトしたコンディショナルマウスを作製する事に成功した。 II.流れ剪断応力に対する細胞膜脂質,膜タンパク分子の挙動解析 剪断応力を最初に感知する機構とそれに関与する分子を明らかにするため培養血管内皮細胞に流れ負荷装置で定量的な剪断応力を作用させ,細胞膜の流動性およびカベオラ,ラフトといった脂質ミクロドメインの変化を二光子レーザー顕微鏡を用いて画像化することに成功した。剪断応力により膜の流動性が上昇し,脂質ミクロドメインが流れの上流に移動する様子を観察できた。
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Research Products
(34 results)