2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 希美子 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 講師 (00323618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 譲二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20159528)
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Keywords | 細胞・組織 / 生理学 / バイオメカニクス / 機械刺激 / ナノイメージング |
Research Abstract |
血管系は組織に酸素や栄養素を供給するだけでなく、生体にとって多くの重要な働きを担っている。近年、血管系の働きが血管内に発隼する血流や血圧に基づいて発生する流れ勇断応力や伸展張力といった物理的刺激により制御を受けることが明らかになってきた。申請者らが最近流れ勢断応力のトランスデューサーとして機能することを同定したATP作動性カチオンチャネル(P2X4受容体)に焦点を当て、同チャネルの活性化機構を明らかにする為に以下の解析を行った。 I.血流センサー分子としてのイオンチャネルP2X4の構造機能解析とATP放出のイメージング内皮細胞に勢断応力を作用させたときのATP放出部位を解析するため遺伝子工学的に作製したストレプトアビジン・ルシフェラーゼ融合蛋白質をビオチン・ストレプトアビジン結合により細胞膜1と均一に固定化した。平行平板型流れ負荷装置にルシフェリン溶液を灌流させ、細胞に流れ勇断応力を負荷した。内因性ATPの放出により発生する化学発光を高感度の冷却型EM-CCDカメラにより検出し、ATPの放出部位を同定した。 II.流れ勇断応力に対する細胞膜脂質・膜タンパク分子の挙動解析単一の内皮細胞において勇断応力が惹起する細胞内カルシウム濃度変化をカルシウム感受性プローブであるIndo-1と共焦点レーザ顕微鏡により実時間イメージングを行った。流れ勇断応力依存的なカルシウム反応は細胞外カルシウムのEGTAによるキレートあるいは小胞体のカルシウム貯蔵を枯渇させるthapsigarginを用いて細胞内カルシウム濃度変化を観察し、細胞外からの流入反応であることが明らかとなった。また、高速CCDカメラを用いてカルシウム流入反応を解析した所、細胞膜においてコレステロールを多く含む脂質ミクロドメインであるカベオラからカルシウムが発火していることが明らかとなった。以上の結果から、流れ勇断応力の情報伝達にカベオラが重要な役割を果たしている可能性が考えられる。
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Research Products
(26 results)