2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己表面静電力をもつ分極バイオマテリアルを用いた高速骨再生材料の創製
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19300169
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山下 仁大 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 聰一郎 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (10242190)
永井 亜希子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特任講師 (40360599)
田中 優実 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00436619)
中村 美穂 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40401385)
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Keywords | 分極 / バイオセラミックス / ハイドロキシアパタイト / リン酸カルシウム / 炭酸含有アパタイト / スキャホールド / バイオインターフェイス / 硬組織代替デバイス |
Research Abstract |
本研究においては、バイオセラミックスに対して電気的分極処理を行うことにより空間電荷をセラミックス中に誘起させ、セラミックスの粒界ならびに表面特性を変え高機能化をはかり、硬組織再生および修復機能を持つ分極バイオセラミックスの医療用デバイス開発研究を行うことを目的とした。平成19年度は分極バイオセラミックスの作製と基礎物性評価、擬似体液系における表面特性評価、培養細胞評価を行った。分極バイオセラミックスの作製では、現在臨床応用されているプラズマスプレーコーティング材料、ハイドロキシアパタイト、トリリン酸カルシウム、次世代で臨床応用が期待される炭酸含有アパタイトに対して分極処理を行い、材料化学的分析を行った。基礎物性評価及び表面特性評価では、無機擬似体液溶液中における析出結晶解析、タンパク質吸着挙動などの擬似体液系を利用した評価を行った。これらの成果から、基礎物性を変化させることなく無機イオン、タンパク質レベルで表面特性を制御可能であることが確認された。更に、培養細胞を用いて分極バイオセラミックス上における接着、移動、分化挙動を検討した結果、分極試料片上において上記挙動が促進されることが確認された。このことから、細胞の増殖、分化能を制御しうるスキャホールドへの応用が期待され、ティッシュエンジニアリングや再生医工学への発展に寄与するものと考えられる。これらの観点から、治癒に要する時間を大幅に短縮できる硬組織代替材料デバイスの開発が可能になる「バイオインターフェイス制御が可能なセラミックス材料」として分極バイオセラミックスの有用性が示唆された。
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Research Products
(6 results)