2007 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質工学による神経幹細胞移植用スキャフォールドの設計
Project/Area Number |
19300171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 功一 Kyoto University, 再生医科学研究所, 准教授 (50283875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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Keywords | キメラタンパク質 / 再生医療 / 中枢神経 / 細胞増殖因子 / 幹細胞移植 / バイオマテリアル / ハイドロゲル / 自己組織化 |
Research Abstract |
神経幹細胞の移植による中枢神経の再生治療を効果的に行うための新規材料の設計を行うための、移植用スキャフォールドの開発を行った。そのさい、スキャフォールドを構成する材料を合理的にデザインするため、遺伝子組み換えによる人工タンパク質の設計手法を採用した。本研究で設計した人工タンパク質は次の2つの要素を備えたものとした。(1)溶液状態にあるタンパク質を移植細胞とともに患部に注入すると速やかにゲルを形成し、細胞の分散を防ぐことのできるような物理化学的性質をもつ。この目的のため、隣接分子のドメイン間で会合体を形成し、それが架橋点となってハイドロゲルが生成するような仕組みをもつ。(2)移植細胞の増殖、分化、移動、シナプス形成などを高度に制御できるポリペプチド鎖を移植細胞に提示するためのドメインをもつ。H19年度は、(1)構造形成ドメインの選択、(2)機能ドメインの選択、(3)合成したキメラタンパク質の神経系細胞の培養系を用いた評価について検討した。(1)に関して、分子間会合によってコイルドーコイル構造を形成する中間径繊維由来のドメイン、あるいは、自己組織化によって微細繊維からなるゲルを形成するコラーゲン、架橋によってゲルを形成するヒアルロン酸について検討し、それらの構造形成要素としての有効性について基礎的知見を得た。一方、(2)に関しては、細胞増殖因子(EGF)、神経栄養因子(CNTF、BDNF)、細胞接着分子(NCAM)、細胞外マトリックス(laminin)について検討した。 これらの全長あるいは一部の配列を融合したキメラタンパク質について、(3)では、培養神経幹細胞を用いた評価系を利用して、細胞の増殖、分化、生存等に及ぼす影響を評価した。
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