2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質工学による神経幹細胞移植用スキャフォールドの設計
Project/Area Number |
19300171
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 功一 Kyoto University, 再生医科学研究所, 准教授 (50283875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
|
Keywords | キメラタンパク質 / 自己組織化 / コイルドコイル / ハイドロゲル / 神経幹細胞 / 細胞接着 / 組織工学 / 細胞移植 |
Research Abstract |
神経幹細胞の移植による中枢神経の再生治療を効果的に行うための新規材料の設計を行うための移植用スキャフォールドの開発をH19年度に引き続き行った。それまでの検討の結果、移植用材料として有効と考えられたコラーゲンおよびヒアルロン酸をベースとする材料に焦点を絞って研究を進展させた。コラーゲンをベースとする場合には、コラーゲンに特異的に相互作用するドメイン(von Willebrand因子のA3ドメイン)を一成分とするキメラタンパク質を合成した。融合パートナーとしては、上皮細胞増殖因子を組み込んだ。このキメラタンパク質をコラーゲンゲル内に結合ドメインを介して複合化し、その内部における神経幹細胞の増殖および形態変化について調べた。その結果、神経幹細胞の生存・増殖にとって適切なゲルの諸物性に関する知見を得ることができた。これに関して、現在、論文を執筆中である。一方、ヒアルロン酸の場合は、予めキレート反応を利用して導入した金属イオンと、脳由来神経栄養因子(Brain derived neurotrophic factor;BDNF)に導入したヒスチジンタグとの間の錯体形成を利用して、ヒアルロン酸ゲル内部に担持させた。培養細胞を用いた評価ならびにラット脳内移植試験によって、ゲルの最適な組成、細胞の生存維持、機能ドメインの効果などについて知見を得ることができた。このヒアルロン酸ベースの移植用材料に関して、現在、論文を投稿中である。
|