2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300173
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青柳 隆夫 Kagoshima University, 大学院・理工学研究科, 教授 (40277132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 隆史 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80231760)
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Keywords | 温度応答性 / コアセルベート / 相分離挙動 / 相転移挙動 / ハイドロゲル / 分子認識 / 水和現象 / 脱水和現象 |
Research Abstract |
昨年度から継続して水酸基を有する新規温度応答性ポリマーのコアセルベート形成を利用してハイドロゲル微粒子の作製およびその性質について詳細な検討を行った。カルボキシル基を有する別の温度応答性高分子との相互侵入網目構造形成の確認のために、架橋に関与しないカルボキシル基を有する温度応答性連鎖に蛍光物質を固定し、蛍光顕微鏡によりその分布状態を観察した、その結果、すべてのハイドロゲルに蛍光発光が均一に観察された。これは、コアセルベートを形成する両ポリマーが偏りなく混合していることを示している。今後、その応用研究を検討していく。 コアセルベートの材料化を積極的に行うためには、高収率で回収する必要がある。昨年度までに、収率に影響すると考えられる分子量の効果について検討を開始した。実験は水酸基を有する温度応答性ポリマーにおいて、分子量の異なるポリマーを用いて種々の条件でコアセルベート滴を形成させて、コアセルベート層と水層を分離した。凍結乾燥後、重量を測定するとともに、GPCにより平均分子量および分子量分布を追究した。その結果、これまでの文献報告とは異なり、高い収率でコアセルベートが回収されることがわかった。分子量の解析の結果、コアセルベート層の分子量は増大すること、さらに分子量分布が狭くなっていることが判った、これは、分子量の大きいものから先にコアセルベート層を形成し、分子量の比較的小さいものが水和状態を維持してコアセルベート形成に関与できなかったことを示している。
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