2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌を標的としたナノコンポジット微粒子の経気道的局所投与
Project/Area Number |
19300177
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
牧野 公子 Tokyo University of Science, 薬学部, 教授 (40147509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 弘 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00035544)
深井 文雄 東京理科大学, 薬学部, 教授 (90124487)
杣 源一郎 徳島文理大学, 家政学部, 教授 (00158990)
伊藤 史典 東京理科大学, 薬学部, 助教 (10366429)
SONAVANE Ganeshchandra 東京理科大学, 薬学部, PD (90449231)
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Keywords | 経気道投与 / 肺がん / 経肺吸収 / ナノコンポジット微粒子 / PLGA / トレハロース / 制癌剤 |
Research Abstract |
抗癌薬を内包したナノPLGA微粒子を調製して、スプレードライによって、3μm程度の大きさのナノコンポジット微粒子に成型した。この製剤は肺胞に到達した。また、このナノコンポジット微粒子は肺胞表面に到達後、体液中でナノサイズの微粒子に再分散するため、肺胞マクロファージの認識を回避して肺癌細胞に送達されると考えられる。ナノサイズの微粒子は、エンドサイトーシスによって肺癌細胞に取り込まれると考えられ、1.経肺吸収肺癌治療のためのナノコンポジット微粒子製剤の開発 1)標的部位:肺癌細胞 2)抗癌薬を含有したナノPLGA微粒子をトレハロースとコンポジット化した。 2.in vitroにおけるナノコンポジット微粒子製剤からの薬物放出速度の検討 1)ナノ微粒子に成型した抗癌薬はその溶解速度に依存した速さで薬物を放出する。PLGAのモノマーの混合比、分子量がナノコンポジット粒子が解離する速度と薬物放出速度に与える効果を検討した。 2)粉末吸入器(DPI)デバイスを用いて、ナノコンポジット微粒子製剤を吸気から投与した場合、肺胞に到達する割合をin vitroで確認した。測定にはカスケードインパクターを用いた。約20%の微粒子が肺胞に到達することが示された。 3.A549細胞に与えるナノコンポジット微粒子の抗がん活性制癌薬を分子状態で添加するとED50が30nM、ナノ粒子に内包して添加するとED50が10nMであり、活性が高かった。 4.ラットに経気道投与した場合の制癌薬の肺内における局所濃度ラット尾静脈から薬物を投与した場合と、ナノコンポジット化して肺に投与した場合の肺内濃度、血漿中の濃度を比較した。ナノコンポジット化して肺に投与した方が、肺への局所貯留性が高かった。
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