2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌を標的としたナノコンポジット微粒子の経気道的局所投与
Project/Area Number |
19300177
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
牧野 公子 Tokyo University of Science, 薬学部, 教授 (40147509)
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Keywords | 薬学 / がん / ナノ粒子 / 経肺吸収製剤 / DDS |
Research Abstract |
抗癌薬(TAS-103)を内包したナノPLGA微粒子を調製して、トレハロース水溶液に分散後、スプレードライによって、3μm程度の大きさのナノコンポジット微粒子に成型した。ナノコンポジット微粒子の空気力学径は肺胞に到達する大きさである。このナノコンポジット微粒子は肺胞表面に到達後、体液中でナノサイズの微粒子に再分散するため、肺胞マクロファージの認識を回避して肺癌細胞に送達される。A549佐藤肺がん細胞を用いて検討した結果、ナノサイズの微粒子は、エンドサイトーシスによって肺癌細胞に取り込まれると考えられる。また、TAS-103制癌薬を粉末で添加した場合のED50>30nMであるのに対して、ナノコンポジット製剤にするとED50〓10nMまで低下して、有効性が高いことが示された。TAS-103含有ナノコンポジット微粒子をラットに経気道的にペンセンチュリー社の小動物用DPIを用いて投与した結果、肺内部に蓄積して、血中濃度よりも肺内部での濃度がはるかに高く保たれた。しかし、この小動物に対する投与方法には、肺内部に均一に微粒子を送達できないという欠点があったため、現在、新規投与方法を開発中である。 PLGAミクロ微粒子は、肺胞マクロファージを賦活化した。この過程は貧食による取り込みと考えられ、この過程に関与する受容体を見出した。現在、引き続き検討中である。この受容体によるPLGA微粒子の取り込みは、今までに報告されておらず、本研究の成果である。
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Research Products
(6 results)