2008 Fiscal Year Annual Research Report
腰部脊柱管狭窄症に対する最小侵襲手術システムの開発
Project/Area Number |
19300184
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西田 康太郎 Kobe University, 大学院・医学研究科, 助教 (00379372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井田 稔 神戸大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60237170)
前野 耕一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70403269)
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Keywords | 腰部脊柱管狭窄症 / 最小侵襲手術 / 棘突起間スペーサー / 大型動物(ブタ)モデル / 硬膜外圧測定 / in vivo研究 / 腰痛 |
Research Abstract |
腰部脊柱管狭窄症患者の評価目的で撮影した腰椎XPを用いて、症状の出現する立位と、症状の軽快する座位の側面像から責任椎間の動きと症状の関連について調査した(n=30)。座位においては立位に比較して、軽度の腰椎前屈位であることが確認され、棘突起間隔が数ミリ程度拡大していることも確認された。これらの結果は、責任椎間の棘突起間隔を、スペーサーを挿入することによって拡大し、軽度の腰椎前屈位が保持できれば、狭窄症のタイプに関わらず症状が改善する可能性が高いことを示唆している。 さらにヒトに臨床応用することを前提に、大型動物(ブタ)を用いた安全性の評価並びに硬膜外圧に対する効果確認を行った。現在一般的に行われている拡大開窓術と、我々の方法の比較においては、MRI上の侵襲は我々の方法が明らかに低侵襲であることが示されたが、CRP、IL-6などの評価では、両者ともに術後の優位な上昇が見られず、差を見いだすことが困難であった。 硬膜外圧に対するスペーサー挿入の効果確認においては、全身麻酔下に目的とする椎間の硬膜外に硬膜外圧を測建するためのプローブを挿入(コッドマン)し、評価を行った。腰椎を伸展することで硬膜外圧が有為に上昇することを確認した後、この責任椎間の棘突起間に我々が開発したスペーサーを経皮的に挿入し、同様の腰椎の伸展を行って硬膜外圧の変化を測定した。さらに経皮的にスペーサーを抜去した後にも同様の測定を行った。結果として、スペーサーの挿入により腰椎を伸展しても、挿入椎間においては伸展が抑制されると同時に、硬膜外圧の上昇も抑制されることが判明した。これらの結果は、実際の腰部脊柱管狭窄症でも我々の方法により治療効果が望めることが、より直接的なデータで確認されたことを意味するものである。この結果は学会で発表(発表予定も+)し、現在論文の執筆中である。また、これらのデータをもとに、臨床応用への準備を開始している。
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