2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動遂行時における一次感覚野および運動前野の役割について-脳磁図を用いた研究-
Project/Area Number |
19300194
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大西 秀明 Niigata University of Health and Welfare, 医療技術学部, 教授 (90339953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 俊雄 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (40339974)
大山 峰生 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10367427)
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Keywords | 脳磁図 / 運動感覚 / 脳・神経 / 運動前野 / リハビリテーション / 運動関連脳磁界 / 視覚刺激 / 触覚刺激 |
Research Abstract |
運動関連脳磁界早期成分の電流発生源を明らかにすることを目的として2つの実験を行った.<実験1>対象は健常男性11名であった.脳磁界の計測には306チャネル全頭型脳磁界計測装置(Neuromag)を使用した.運動課題は,自己ペースでの示指伸展運動と,光刺激を利用したGo/NoGo課題(赤丸,青丸および赤四角の3種類の光をランダムに呈示し,赤丸呈示時のみ可能な限り早く示指を伸展する課題)の2種類とした.その結果,自己ペースでの運動時においては運動開始直前の運動磁場および運動直後の運動誘発磁場は著明であったが,運動磁場より早期成分については電流発生源が明確でなかった.一方,Go/NoGo課題においては11名中2名で光刺激呈示後100ms付近(運動開始より約200ms前)に運動前野の活動が認められ,別の2名では光刺激後100ms付近で頭頂連合野に電流発生源が推定された.また,他の2名では光刺激提示前後に補足運動野の活動が認められた.残りの5名では運動磁場より早期に明らかな活動は認められなかった.このことから,運動開始前の電流発生源を推定するには,自発運動よりもGo/NoGo課題を利用した方が良いことが推察された.<実験2>6名の健常男性を対象として,実験1と同様の課題にて運動関連脳磁界波形を計測した後,3種類の光刺激に対する反応時間課題を3日間トレーニング(30回×3セット/1日)し,再度同じ課題遂行時の運動関連脳磁界反応を解析した。その結果,6名中3名で,トレーニング後に運動磁場の振幅が増加し,電流発生源の推定時の信頼性が向上した.さらに,推定された電流発生源の分散が減少する傾向が認められた.このことから,運動開始前の脳磁界反応を解析するには,ある程度運動が習熟している方が,脳磁界反応が安定し,電流発生源推定精度が向上することが明らかとなった。
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