2008 Fiscal Year Annual Research Report
リハ患者及び疾患モデル動物に行うリハ訓練の効果を生体成分から評価する解析法の確立
Project/Area Number |
19300195
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
別府 英博 (別府 秀彦) Fujita Health University, 藤田記念七栗研究所, 准教授 (30142582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宣宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 准教授 (80267955)
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Keywords | リハビリ訓練 / 脳卒中回復期 / 微量機器分析 / 生体成分 / 微量成分検索 / サイトカイン / 運動負荷 / 筋肉成分 |
Research Abstract |
脳卒中患者に対するリハビリ訓練の評価を臨床検査所見や生化学的な面から検証した報告は少ない。まず、入退院時の患者血清中に含まれる各種サイトカイン量をELISA法により定量し、ADLとの相関を評価した結果、HGFとADLにある種の関連性の存在が示唆された(臨床病理55(6)2007に発表)。次に、二次元電気泳勤法(2D-PAGE)による網羅的な検討を行った。その結果、入院時と退院時また患者間においてもタンパク質構成が一部異なることが示唆された(生物試料分析科学会誌29(4)379-388、2006)。現在さらに、現在網羅的に解析を進めているところである。一方、申請者らは、筋肉に関連する動物実験を計画し、(1)運動障害をもつB-6wobマウスを育成し後肢に歩行障害が現れる個体の脳および筋肉の解析を行った。(2)マウス、ラソトの後肢をギブス固定し、萎縮性筋廃用のモデルを作製する方法条件を検討した。(3)ヒトおよび動物の血清を用いUPLC装置による遊離アミノ酸の解析を行った。それらの結果(1)B-6wobマウスは小脳の萎縮が観察されそれによる歩行異常が示唆された。また筋肉成分を2D-PAG8で検討を行ったところアクチンの発現が弱まっていた(第7回コ・ディカル形態機能学会2008)(2)健常者に対し運動負荷を与え、血清および尿を用い筋肉代謝成分の変動をHPLCを用い3-メチルヒスチジン(3-MH)の測定、遊離アミノ酸をUPLCを用いて解析しところ、運動後30分の血清中に3-MHのピークが現れ、UPLCではグリシンが有意に出現していた(第18,19回生物試料分析科学会学術集会2008、2009よび第63回日本体力医学会大会2008)。このように生体微量成分の解析法を構築しつつ、リハビリ訓練効果を評価するマーカーを見つけるための実験を進めているところである。本研究はリハビリ訓練効果を生化学的に評価することにある。関連するサイトカイン、タンパク、ペプチド、アミノ酸、微量元素などが特定されれば、さらに臨床において、ADLやFIMの評価とともに相関性を検証し、"生化学的マーカーでリハ訓練効果の評価"という事例を示し当該分野の発展の一助となることが期待できる。
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