2009 Fiscal Year Annual Research Report
ベスト・パフォーマンスのための個性対応型"身心の自己調整システム"の開発
Project/Area Number |
19300209
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂入 洋右 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (70247568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
征矢 英昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50221346)
木塚 朝博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30323281)
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Keywords | セルフコントロール / セルフモニタリング / コンディショニング / 二次元気分尺度 / 心理状態 / 軽運動 / 自律訓練法 / 作業成績 |
Research Abstract |
アスリートや一般人がスポーツや仕事において理想的な成果を上げるために、簡易的な心理状態測定システム(特許第4378455号)を用いて自分の心理状態をモニタリングし、適切な身体技法を活用して、取り組む課題や各個人の特性に応じた最適な心理状態エリアへとセルフコントロールする「個性対応型"身心の自己調整システム"」を開発することを目的として、以下の研究課題を遂行した。(1)各種身体技法の心理的効果の比較検討:同じ運動強度であっても運動のタイプによって心理的効果は異なっており、心理状態の活性度と快適度の向上に適した運動として、Gボールを用いた軽運動が特に有効であることを検証した。また、心理状態の安定度と快適度の向上には、リラクセーション・トレーニングである自律訓練法が有効であることを確認した。(2)"身心の自己調整システム"の有効性の検討:高校生および大学生運動部員を対象にシステムの効果を検討し、各自の心理状態を適切な状態にセルフコントロールすることによって、スポーツに取り組む時の心理状態が改善され、スポーツ体験の質(フロー傾向)およびパフォーマンスが向上することを確認した。(3)個性対応型"身心の自己調整システム"の応用的活用法の展開:これまでの研究の成果をまとめて、"身心の自己調整システム"の理論と活用法の手引きを作成した。この中で、個性対応型のシステムを活用することによって、従来の基礎的研究の方法論とは異なる、個人差を考慮した新しいタイプの応用的研究の推進が可能となることを示した。この成果は、スポーツをはじめとする様々な実践的活動の科学的研究において、課題差や個人差を重視した上で介入の一般的な効果を検証することができる新しい研究パラダイムを提起した意義を有するものである。
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Research Products
(5 results)