2009 Fiscal Year Annual Research Report
新自由主義思想と生涯スポーツ振興体制の構造変容に関する研究
Project/Area Number |
19300214
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳沢 和雄 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60191152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 紀宏 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50196531)
天野 和彦 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (50389144)
作野 誠一 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (60336964)
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Keywords | 新自由主義 / ボランティア / 学校選択制 / 運動部活動 / 総合型地域スポーツクラブ / 指導者養成 / 指定管理者制度 |
Research Abstract |
生涯スポーツ振興体制、特に総合型地域スポーツクラブやスポーツボランティアと新自由主義(ネオリベラリズム)との関係について議論を進めるため、主に二平(社会学評論56;2005)を中心に検討を行った。その結果、<他者>との関係を再定義することの重要性やその関係性の透明化の必要が確認された。本年度は4つの調査を実施した。まず、生涯スポーツ振興体制の変化が総合型地域スポーツクラブの民営化や自立に及ぼす影響を分析するためアンケート調査を行った(n=417)。その結果、総合型クラブの民営化度と自立度とは相関しないこと、組織成果に対しては民営化度より自立度の影響が強いこと、民営化度を高めることは必ずしも自立度を高めることには結びつかない可能性があることが確認された。総合型クラブとの関連から、広域スポーツセンター(広域SC)の事業実施計画の策定過程と策定に影響を与える要因に関する事例分析を行った。A県における広域SCの事業再編は、財源の削減を契機に行われ、県独自の課題との関連性は見られないこと、広域SCの事業を総合型クラブ育成事業に矮小化するとともに、体育協会のクラブ育成事業の影響を受け、さらに広域SCの機能が縮小していることが明らかとなった。次に公共スポーツ施設への指定管理者制度の導入状況や効率性について、事例分析(B市・C市)、D県悉皆調査(20市町村)、施設管理者調査(n=291)を行った。その結果、指定管理者は行政からの効率化要請、経営努力要請が強いこと、指定管理者は安全・指導・管理等の専門性が高いこと、都市部ほど制度導入が進み、効率化も図られていることなどが明らかとなった。最後に規制緩和が進み学校選択制が導入されているが、学校選択制による運動部活動への影響及び部活動を理由とする学校選択行動の背景を検討するための調査を行った(加入者n=2,307、非加入者n=917、顧問教師n=163)。
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Research Products
(4 results)