2008 Fiscal Year Annual Research Report
サルコペニアの進行を運動負荷が抑制するメカニズムの解明
Project/Area Number |
19300219
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武政 徹 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50236501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清澤 秀孔 独立行政法人理化学研究所, 動物変異動態解析技術開発チーム, 開発研究員 (30295422)
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Keywords | 骨格筋 / 筋肥大 / microRNA / 転写制御 / 運動負荷 / サルコペニア / リアルタイムPCR / ノザンブロット |
Research Abstract |
骨格筋は運動刺激により微細な損傷を生じ、成長因子やサイトカインの分泌が促がされ、シグナル伝達系を介して様々な転写因子を活性化/不活性化し、その結果、数千にも及ぶ遺伝子の発現量が変化することで肥大を起こす。しかし、膨大な規模の遺伝子発現が一体どのように理路整然と制御され、最終的に筋肥大を導くのかについては未だ不明な点が多い。近年、microRNA(以降miRNAと略す)と呼ばれる22塩基ほどの低分子RNAが骨格筋の発生・分化の際に重要な役割を果たしていることが明らかとなり、過負荷による筋肥大においても何かしら関与をしていることが示唆されている。2007年に代償性筋肥大によって幾つかのmiRNAの発現量が増加することが報告されたものの(McCarthy JJ and Esser KA,J ApPl Physiol, 2007)、その他のmiRNAの動向や、miRNAが実際にどのような遺伝子をターゲットとして骨格筋の肥大に関与しているかについて調べた報告はまだない。そこで当該年度の研究目的は、マイクロアレイ解析を用いて現在報告されているmiRNAの中から骨格筋の肥大に関与するmiRNAを探索し、さらにそれらのmiRNAの機能と標的遺伝子を明らかにすることであった。我々はアキレス腱切除によって足底筋に代償性筋肥大を誘導したマウスを肥大群、偽手術を施したマウスをコントロール群とし、700種類のmiRNAの発現量をマイクロアレイ解析によって比較した。その結果、代償性筋肥大によって発現量が顕著に増加・減少するmiRNAの絞込みに成功した。さらにこれらのmiRNAの標的遺伝子を予測した結果と、各miRNAの組織別発現量をまとめたデータベースを参考に、最終的に幾つかの筋肥大関連miRNA候補を選抜した。これらの発現量の変化はリアルタイムPCR法とノザンプロット法による追試においても再現された。
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Research Products
(14 results)