2008 Fiscal Year Annual Research Report
競技スポーツ選手の腰椎2間板変性要因の解明と予防策の立案
Project/Area Number |
19300220
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金岡 恒治 Waseda University, スポーツ科学学術院, 准教授 (80323294)
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Keywords | 脊椎脊髄病学 / 運動器リハビリテーション学 / スポーツ医学 / スポーツ障害 |
Research Abstract |
(1)腰椎椎間板変性と競技種目:さまざまなスポーツ種目毎に腰椎椎間板変性高位を解析したところ、サッカー群のみL4/5の変性が最も多く、他の群はL5/S1で最も変性していた。野球、バスケットボール、非競技群は、L4/5,L5/S1がL3/4より変性が有意に多く、剣道はL5/S1がL3/4より有意に多く変性し、走群はL5/S1がL3/4,L4/5より有意に変性していた。これらの結果から競技スポーツ種目により、腰部に作用する力学的負荷が異なり、その影響で腰椎椎間板の変性高位パターンが異なる可能性が示唆された。(2)スポーツ活動時の腰椎挙動:水泳時の腰椎挙動解析を行った結果、泳法に関わらず地上立位と比較して水泳動作時には腰椎伸展位となり、泳法間(クロール、バタフライ、平泳ぎ)では腰椎伸展角度に有意差を認めなかった。体操選手の演技時の腰椎挙動解析を行ったところ、胸腹部引き込み姿勢(含み動作)を意識して行うことによって演技時の腰椎安定性が高まっていることが示唆された。(3)腰椎ローカル筋活動の検証:さまざまな腰椎安定化トレーニングを行っているときの腰椎ローカル筋(腹横筋、多裂筋)筋活動を、筋内に挿入するワイヤ電極を用いて解析した。その結果、腹横筋の筋活動は、肘とつま先で体幹を支えるelbow-toe位での対側上下肢を挙上する姿位において最も大きくなり、多裂筋の筋活動は、背部と足底で体幹を支えるback bridgeでの片側下肢を挙上する姿位においてが最も大きくなることが明らかにされた。この様な体幹のstabilization exerciseを行うことによって、運動時の腰椎動的安定性が高まり、腰椎椎間板変性の進行を抑制できる可能性が示された。 なお、本トレーニング方法は競泳の北京五輪代表選手の腰痛予防対策として活用され、今後は腰痛者の腰痛体操としても実践していく予定である。
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Research Products
(20 results)