2007 Fiscal Year Annual Research Report
運動に関わる要因の相互作用が体温調節機能に及ぼす影響と運動トレーニング効果
Project/Area Number |
19300221
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 徳彦 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西保 岳 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (90237751)
斉藤 満 豊田工業大学, 工学部, 教授 (80126862)
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 教授 (50125712)
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Keywords | 発汗量 / 皮膚血管コンダクタンス / セントラルコマンド / 筋機械受容器 / 筋代謝受容器 / 相互作用 / 運動 / 阻血 |
Research Abstract |
本研究では,運動時の熱放散機能を運動に関わる要因の相互作用の影響から検討すること,また,それらの相互作用の影響が運動トレーニングによりどのように変化するのかを明らかにすることとした.平成19年度ではセントラルコマンド・筋機械受容器と筋代謝受容器との相互作用が熱放散反応に及ぼす影響について検討するため,環境温35℃,相対湿度50%の環境下で60分間仰臥位安静を保持し,この環境下によって熱放散反応を駆動させ,その後,最大随意筋収縮の30%の静的掌握運動を非利き腕で2分間実施した.運動終了直前に上腕を250mmHgの圧で2分間阻血し,前腕部に疲労物質を蓄積させ,筋代謝受容器を選択的に刺激した.したがって,このときの熱放散反応を観察することにより,筋代謝受容器の影響を検討することが可能となる.また,阻血中に被験者は最大酸素摂取量の20%の自転車運動を2分間実施した(この運動ではセントラルコマンドと筋機械受容器の両者が活動すると考えられる).さらに,運動後阻血のみを行った条件と,阻血を実施しない条件で最大酸素摂取量の20%の自転車運動のみを2分間行った条件を比較として行った. 運動後の阻血中,平均血圧は安静時より高く,また,前腕部の発汗量も多かった.また,阻血中に自転車運動を実施すると平均血圧と発汗量は阻血のみの条件よりさらに高くなった.自転車運動のみを行った場合のこれらのパラメータの増加は阻血中に自転車運動を実施した場合よりかなり小さかった.一方,前腕部の皮膚血管コンダクタンスには各条件間で顕著な差はなかった.これらの結果から,セントラルコマンド・筋機械受容器と筋代謝受容器との相互作用が発汗反応に及ぼす影響は,それぞれの要因が単独で作用するよりも大きいことが考えられた.
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Research Products
(7 results)