2007 Fiscal Year Annual Research Report
作業筋虚血閾値の測度を加味した運動処方の分子生物学研究と運動導出性適応機構の解明
Project/Area Number |
19300224
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
進藤 宗洋 Fukuoka University, スポーツ科学部, 教授 (30078539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
清永 明 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70177955)
田中 守 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00163577)
出崎 一彦 福岡大学, スポーツ科学部, 講師 (30369029)
吉武 裕 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (00136334)
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Keywords | 作業筋虚血閾値 / 運動適応機構 / 分時換気量 / 酸素摂取率 / 心拍数 / 呼吸・循環器系 |
Research Abstract |
本年度は,乳酸閾値に相当する運動強度において,作業筋虚血閾値(以下,WMIT Tを基準として発揮筋力を3段階群にわけ,相対的な発揮筋力の違いによる一過性の運動適応機構呼吸、循環器系への影響を検証することを目的とした。 【方法】健常な男子学生を対象に乳酸閾値に相当する運動強度に決定した上で,同一仕事率のうえWMITを基準にスムースな回転が可能な3段階の回転数に分け,それぞれ高%WMITと中%WMITと低%WMITとした。回転数はそれぞれ38.9±5,0rpm,51.5±7.6rpm,70.9±6.4rpmであった。 【結果】分時換気量では低%WMITが高%WMITに対して有意に高値を示した(p<0.05)。酸素摂取率では,低%WMITが高%WMITに対して高値の傾向を示した(p<0.1)。また,心拍数において低%WMITが中、高%WMITに対して有意に高値を示した(p<0.05)。さらに,呼吸交換率,酸素脈,血中乳酸濃度,酸素換気当量,肺分画の比較を行ったが有意差を認めなかった。 【考察】同程度の運動強度であっても,高%WMITの運動では呼吸器系に対して抑制作用があり,循環器系に対しては促進作用がある可能性が示唆された。 相対的同一運動強度でさえも,WMITを基準とした発揮筋力により呼吸、循環器系へ運動適応が異なる可能性を示唆した。この報告は,これまで特に全身持久力の向上のために処方されてきた運動適応の差異を理論的に説明できることになるかもしれない。つまり,対象者の特性、目的に沿ったテーラーメードの運動処方の基礎的研究となりえる。
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