2008 Fiscal Year Annual Research Report
作業筋虚血閾値の測度を加味した運動処方の分子生物学研究と運動導出性適応機構の解明
Project/Area Number |
19300224
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
進藤 宗洋 Fukuoka University, スポーツ科学部, 非常勤講師 (30078539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 一彦 福岡大学, スポーツ科学部, 講師 (30369029)
黒岩 中 福岡大学, 医学部, 教授 (30122691)
吉武 裕 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (00136334)
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Keywords | 作業筋虚血閾値 / 運動導出性適応機構 / 有酸素性トレーニング / 運動処方 / 中高齢者 |
Research Abstract |
我々は,作業筋虚血閾値(WMIT)の概念を加味した有酸素性トレーニングの効果と適応機構について研究を進めている.これまで我々が提案する運動負荷試験は,その研究内容から比較的体力水準の高い若年者を対象に行ってきたが,運動処方の適応範囲を探るため中高齢者を対象に%WMITを考慮した運動負荷試験のため自転車エルゴメーターを用いて,DPBP強度で50回転と70回転を行い比較したところ,酸素摂取量には有意な差を認めず,換気量・心拍数・血中乳酸値で有意な差を認めた.このことから,中高齢者であっても%WMITを考慮することにより,運動導出性適応機構の細やかな導出の可能性が示唆された. また,相対的な作業筋虚血閾値(%WMIT)を考慮した運動処方の展開に向けて,日常生活で導入しやすいように重量負荷靴を考案しその成果を検証した.その結果,中高齢者が重量負荷靴を装着し日常生活におけるDPBP強度に相当する運動強度の占有時間を延伸することで,有酸素性作業能だけでなく大腰筋断面積(筋力)も増加することが示唆された. 我々が提案する運動処方はより低体力な肺気腫に代表されるCOPD患者にも適応できる可能性がある.肺換気能が極端に低下しているCOPD患者は本運動処方の恩恵を受ける具体的な例である.つまり,COPD患者を対象には,肺換気能に負担をかけずトーレナリビティの高い末梢筋組織や毛細血管への刺激を効率的に行うことが出来るようになる.また,健康の維持増進のために実施されている有酸素性運動に重量負荷靴などを用い%WMITを加味することで,これまで期待できなかったトレーニング効果を導出できる可能性を示唆した.
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