2007 Fiscal Year Annual Research Report
大豆イソフラボン代謝産物に着目した骨粗鬆霧症の予防に関する研究
Project/Area Number |
19300237
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
石見 佳子 National Institute of Health and Nutrition, 栄養疫学プログラム・生体指標プロジェクト, プロジェクトリーダー (50154159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 万里子 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (20211071)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 大豆イソフラボン / 腸内細菌 / 難消化性糖質 / エクオール |
Research Abstract |
我々は、現在までに大豆イソフラボンが閉経後骨粗鬆症モデル動物において、骨量減少を抑制することを報告してきた。また、閉経後の健常な日本人女性を対象に、大豆イソフラボンの介入試験を行い、イソフラボン摂取群ではダイゼインの代謝産物であるエクオールの産生者は非産生者に比べて骨量の減少率が低いことを明らかにした。これらのことから、エクオール産生を高めることにより、閉経後の骨量減少を効率よく抑えることができると考えられた。そこで本研究では、エクオール産生を高める食品成分を検索し、最終的には骨粗鬆症予防メニューを提案する。今年度は、骨粗鬆症モデル動物を用いて、ダイゼインに加え各種食品成分を同時に摂取させ、エクオールの産生能に対する影響を評価した。 その結果、ポリデキストロース、大豆のオリゴ糖であるラフィノースにより、血中および尿中のエクオール産生が亢進するとともに、ダイゼインの骨量減少抑制作用も増強されることが明らかになった。この時、盲腸内容物のpH低下とβグリコシダーゼ活性の上昇が認められた。一方、カテキンの摂取により、エクオール産生が著しく低下することが判明した。 これらの結果から、併用群においては、難消化性糖質により腸内細菌の増殖や腸内環境の変化により、ダイゼインからエクオールへの代謝が促され、骨量減少抑制作用も亢進したものと考えられた。
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