2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨格・筋内臓可動型人体下半身ソフトボディマネキンの開発
Project/Area Number |
19300242
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
田村 照子 Bunka Women's University, 服装学部, 教授 (30060817)
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Keywords | ソフトボディマネキン / 関節可動型 / 衣服圧測定 / 骨格内臓型 / 皮下脂肪 |
Research Abstract |
衣料品のフィット性や運動機能性など、衣服の形態・力学特性の評価に対しては、現状、入台やディスプレイ用マネキン、日本人の計測データに基づくHQL人体マネキン等が用いられている。しかしこれらはいずれもFRP等の剛体材料で構成され、しかも不動姿勢であるため、衣料品のフィット性や加圧効果、運動性等の評価マネキンとしては課題が多い。人体は脂肪層を中心とする軟組織が表層を覆っているため、衣服の圧迫によって変形する。各種ストレッチ衣料の評価の際、剛体マネキン上で測定した衣服圧は人体上のそれと大きく相違する。衣服圧による整容性や機能性付与を目的とする下着、スポーツウェア等の性能評価に当たっては、より人体の柔軟構造に近いマネキンの開発が必要となる。これらのニーズに対し、柔軟構造でしかも可動関節を有し姿勢変化が可能なマネキンが求められる。本研究は、骨格・筋内蔵の可動型下半身ソフトボディマネキンを開発し、これを用いてファンデーションや介護用衣料品等の評価を試みようとするものである。平成20年度は、成人女子下半身各部位の皮下脂肪分布、各部位における圧縮特性の測定を行い、併せて皮下組織圧縮弾性を再現するための材料としてポリスチレンの油分コントロール材料が適していることを見出した。また、日本人成人女子の標準体型に近似した被験者の外郭形状ならびに除脂肪体型の削りだし、その雌型の製作を行い、一方、骨格の一部を改変することにより、関節部の可動設計を可能にし、骨格を内蔵、皮下脂肪分布を再現した下半身モデルの製作にとりかかった。さらに、ボディ表面に設置する衣服圧センサと測定装置を購入し、得られたデータの可視化による画面表示ソフトの開発を開始、来年度研究への展開を予定している。以上の研究結果に基づき、1件の国内学会発表及び2件の国際学会発表を行った。
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