2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨格・筋内臓可動型人体下半身ソフトボディマネキンの開発
Project/Area Number |
19300242
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
田村 照子 Bunka Women's University, 服装学部, 教授 (30060817)
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Keywords | 関節可動型 / ソフトボディマネキン / 衣服圧測定 / 骨格内蔵型 / 皮下脂肪 / 柔軟性材料 / 圧縮特性 / 三次元人体計測 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人体の下半身部位を対象とし、骨格・筋内蔵の可動型ソフトボディマネキンを開発し、これを用いてファンデーションや介護用衣料品等の評価を試みることである。今年度は研究期間の最終年度である。既に昨年度までに成人女子下半身部位の皮下脂肪分布、各部位における圧縮特性の測定を終了し、皮膚を含む皮下組織の圧縮弾性に近似した材料、油分をコントロールしたポリスチレンの利用が有効であることを見出した。また日本人成人女子の平均体型を有するモデルの外郭形状、除脂肪体型を削りだし、骨格内蔵型ソフトボディ試作に着手した。本年度はこれに続きソフトボディを製作した。予想以上に骨格にかかる荷重が大きく、姿勢変化による骨格破損、関節脱臼を繰り返したが、ようやく骨格内蔵型で成人女子と同様の皮下脂肪分布を有する最終ボディを完成することができた。さらに、昨年購入した衣服圧センサー15点をボディ表面に装着し、その衣服圧データを可視化することにも成功した。これらを用いて、モデルとなった被験者と開発したソフトモデルに同一ガードル、ストッキング等を装着させ、その表面衣服圧を測定した結果、両者よく一致し、強化プラスティックの硬いボディを利用したときよりもはるかによく生体上の衣服圧を予測できることが示され、所期の目的を果たすことができた。ただし、ソフトボディの可動関節部の変形、特にソケイ部・膝窩部のような屈側部の変形は人体のようにスムースには行かず、今後関節部の構造に更なる改良の余地のあることが示された。また、介護衣服の評価に関する基礎研究として、下半身特に座面の、立位と座位における発汗分布の変化に着目した実験を行なった。椅子と臀部の接触面形状、接触に伴う汗の蒸発抑制についても今回開発したソフトボディの応用が有効であることが確認された。以上の結果の一部は既に発表済みであるが、今後更に国内外で発表の予定である。
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Research Products
(1 results)