2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300244
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宮澤 三雄 Kinki University, 理工学部, 教授 (40140305)
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Keywords | 植物精油 / 認知症 / アセチルコリンエステラーゼ阻害 / β-セクレターゼ活性阻害 / アミロイドβ |
Research Abstract |
認知症の根本的治療薬は未開発な状態であり、予防・改善法が全世界的に求めれている。認知症の予防・改善策として現在次の2つが注目されている。1)神経伝達物質であるアセチルコリン量の脳内低下の改善が期待できる、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害活性を発現する成分を用いて、脳内アセチルコリン量を高める。2)AChE活性の低下には、患者の脳内に沈着する老人斑の主成分アミロイドβ蛋白質の切断が関与し、一方、アミロイドβ蛋白質生成にはβセクレターゼ(BACEl)が深く関与している事が最近になって解明されている。BACEl阻害活性を示す成分を用いて、このアミロイドβ蛋白質生成を抑制すれば、症状改善の可能性がある。本研究の目的は、植物が示す強力な生理活性物質の心地好い"香り"を楽しみながら、認知症改善・予防両面へのアプローチ集束を行う画期的な「新芳香療法」であり、実用化に対しては内服薬と異なり、副作用等の問題がなく、開発は容易である。本年度は以下の結果を得た。 1.植物香気物質の解明 日本の山菜(オオバキボウシ、モミジカサ、ヨブスマソウ、ナルトサワギク)、こひげ、キノコ(コウタケ、ハタケシメジ)から連続水蒸気蒸留法によってそれぞれの植物香気物質(精油)を得、GC-MSおよびGC-Olfactory(匂い嗅ぎ分析)測定をすることにより精油構成成分及びにおいに強く関与する香気物質を解明した。 2.アセチルコリンエステラーゼ阻害活性 上記で精油構成成分を解明した植物のうち、オオバキボウシ、モミジカサ、ヨブスマソウ、こひげ精油のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性について検討し、モミジガサおよびこひげ精油が強い阻害活性を不すことを見出し、現在その作用機序について検討している。
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Research Products
(11 results)