2007 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防を目指したフレンチパラドックスの作用機構解明
Project/Area Number |
19300250
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
井上 裕康 Nara Women's University, 生活環境学部, 教授 (40183743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 講師 (90198119)
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Keywords | 生活習慣病 / フレンチパラドックス / 核内受容体 / 発現制御 / 食品機能 |
Research Abstract |
赤ワインに含まれているポリフェノール,レスベラトロールは、「フレンチパラドックス」に関与する物質として注目を集めている。現在のところ、レスベラトロールの効果はその抗酸化活性に起因しているという考え方が主流であるが、その作用機構については未だ明らかではない。一方、リガンド依存性転写因子PPAR(peroxisome proliferators-activated receptor)は現在3種類のサブタイプα,β/δ,γが知られており、生活習慣病に対する薬剤の標的タンパク質として世界的な注目を集めている。本研究では、フレンチパラドックスの作用機構が赤ワインの抗酸化活性に起因するだけではなく、生活習慣病予防の標的であるPPARを介して働くのではないかという我々の仮説を検証することを目的に研究を行っている。本年度は、レスベラトロール、および関連物質を投与した各臓器での遺伝子発現を検討した。その結果、肝臓において、PPARαに依存して発現することが知られている複数の遺伝子が誘導されること、その誘導はPPARαノックアウトマウスでは認められないことを明らかにした。小腸、白色脂肪組織、骨格筋においても同様な検討を行ったところ、臓器により発現が異なるものの、PPARαに依存している遺伝子群を同定できた。一方で、高脂肪食に添加して与えた場合には、PPARに依存した誘導が認められない遺伝子があること、レスベラトロール投与量や期間の相違も影響を及ぼすことがわかった。今後は、レスベラトロールと共にどのような食餌を摂取するのが良いか、そしてこれらの分子作用機構や個体レベルにおける作用機構を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(8 results)