2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300251
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
松田 覚 Nara Women's University, 生活環境学部, 教授 (50242110)
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Keywords | プリオン / ドッペル / RNAi / NESH / 細胞運動 / 細胞死 / がん細胞 / 食健康 |
Research Abstract |
プリオンは狂牛病の原因分子とされているが分子の本来の機能は未知である。一方、プリオンやプリオン関連蛋白質であるドッペルは、最近発がんとの関わりも指摘されている。本研究では昨年に引き続き、プリオン遺伝子とドッペル遺伝子におけるその遺伝子産物の正常機能をRNAi利用にて細胞内での情報伝達系についてアダプター分子を中心に解析した。 作製したプリオン及びドッペルの種々の欠失ミュータント発現ベクターを用いてリンパ系細胞や上皮細胞に強制発現させ、細胞内のリン酸化状態の挙動変化を解析した。ドッペル蛋白質ではプリオン蛋白質と異なる機能が報告されており、Bcl2関連アポトーシスカスケードの中で機能していることが示唆された。アダプター蛋白質NESHとの相互作用を免疫沈降やウエスタン法で確認し、生化学的な検討を詳細に加えた結果、アポトーシスのシグナル伝達系においてNESCAが核内から細胞質への移動していることが明らかになった。しかし、この挙動変化がどのような機能と結びついているのかは不明である。 がんに関わるカスケードをターゲットとしたsiRNAシステムを利用して、RNAiによる細胞内のプリオン蛋白質とドッペル蛋白質の機能変化及び相互作用の変化を検討し、アダプター蛋白質の局在変化やSOD活性とアポトーシス制御能を探った。さらに分子間の相互作用とがん化情報伝達と細胞膜変化の解析を進め、プリオン関連蛋白質とアダプター蛋白質のNESCA,NESHについてもプリオン関連蛋白質との関係を明らかにした。特にNESHの挙動について解析した結果を論文に発表した。さらにがん転移の抑制に応用させるべく解析を続けている。 乳がんなどに関わるErbB2と相互作用する分子として申請者らが発見したTobを用いて、膵臓がん細胞の増殖抑制を3種類の細胞を用いて検討した結果、2種類の細胞において実験動物の腹膜にがんが広がるのを効率よく抑制した。
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Research Products
(3 results)