2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規酸化ストレスマーカーを用いた食品機能解析とリスク評価
Project/Area Number |
19300256
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 康一 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 健康工学研究センター, 研究センター付 (90358333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二木 鋭雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究センター, 顧問 (20011033)
赤澤 陽子 (小川 陽子) 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究センター, 産総研特別研究員 (50549897)
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Keywords | 酸化ストレス / コエンザイムQ / ビタミンE / 酸化修飾DJ-1 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞および実験動物を用いて各種機能性食品や抗酸化物質を投与することによる、細胞や動物の応答を評価することである。脂質酸化生成物マーカーやストレス応答タンパク質の変動を指標とした食品含有成分の機能評価法の確立を目的とし、最終的には動物実験によらず細胞実験で食品機能評価、抗酸化物質効能評価を達成することを目標とする。本年度は主として細胞実験での抗酸化物質(コエンザイムQおよびビタミンE)細胞内取り込みと細胞内分布について検討(論文受理:2番目に記載)、およびパーキンソン病患者と健常者の赤血球中の酸化修飾DJ-1を測定し、診断マーカーとしての可能性を検討した(論文受理:1番目に記載)。 (1)酸化型DJ-1特異的抗体を用いたパーキンソン病早期診断システムの開発 パーキンソン病の早期診断への応用を目的として、酸化DJ-1特異的な抗体作成とその抗体を用いたELISA測定系の確立を試みた。その結果、薬物治療を行っていない未治療パーキンソン病患者の赤血球中の酸化DJ-1値は健常人および治療中のパーキンソン病患者に比べ、顕著に高いことが認められた。ヒトの血液からパーキンソン病の診断を行える画期的なマーカーになる可能性がある。 (2)コエンザイムQ10およびビタミンEの細胞内取り込みと分布 培養細胞にコエンザイムQおよびa-Tを添加し、細胞内への取り込みと細胞内分布について検討した。細胞内に取り込まれたコエンザイムQはミトコンドリアに多く存在し、一方a-Tは膜画分に多く分布していた。また、a-Tは脂質分布との相関性が認められたが、コエンザイムQの特にミトコンドリアおよびミクロソーム画分は脂質との相関が認められなかった。 上記記載の通り、本年度の予定に対して研究を遂行し、国際誌2報に掲載される成果を得た。
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